●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.III.1:1 ~ T-19.III.2:7

 
 

III. The Unreality of Sin
 罪の非現実性
 
 
 
1. The attraction of guilt is found in sin, not error. Sin will be repeated because of this attraction.
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、魅力、誘引」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す」
  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
❖ "The attraction of ~ "「罪への魅力は、罪の中に見い出されるのであって、過ちの中に見い出されるのではない」。"Sin will be repeated ~ "「この魅力によって、罪は繰り返されるだろう」。過ちを犯すことで人は卑小さを感じるのが、罪を犯すことで人は尊大さを感じる。それが罪の魅力なのだろう。罪を犯すことで、大なる神に反抗しているかのような錯覚を覚え、あたかも神と同等の力が自分に備わっているような気になってしまうのだ。



Fear can become so acute that the sin is denied the acting out.
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • acute [əkjúːt] : 「強烈な、激しい、深刻な、重大な」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • deny A B : 「AにBを与えない」
  • acting out : 「行為化、行為的表出、行動化」
❖ "Fear can become so ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「恐れが、あまりに先鋭化することがあるので、罪は行動化出来ないでいるだけだ」。神に対抗して罪を犯し、神に匹敵するほどの尊大さを身に付けたいと思うのだが、さて、本当に罪が犯せるかというと、恐怖心が先立って、なかなか罪を現実化出来ないでいるわけだ。



But while the guilt remains attractive the mind will suffer, and not let go of the idea of sin.
  • while [(h)wáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • remain [riméin] [SVC] : 「依然として〜のままである」
  • attractive [ətrǽktiv] : 「引き付ける、興味をそそる、魅力のある」
  • suffer [sʌ́fə(r)] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
  • let go of : 「〜から手を放す、〜を解き放つ、〜を取り除く、手放す、あきらめる」
❖ "But while the guilt ~ "「しかし、罪が依然として魅力的であるうちは、心は苦しむのである」。"not let go of ~ "「しかも、罪という考えを放棄しようとはしない」。罪は魅力だが、罪を実際に犯すことは怖くて出来ない。このジレンマに心は苦しむ。苦しむのに、手放そうとはしない。人間心理の鋭い洞察である。



For guilt still calls to it, and the mind hears it and yearns for it, making itself a willing captive to its sick appeal.
  • call to : 「〜に声をかける」
  • hear [híə(r)] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる」
  • yearn [jə́ː(r)n] : 「切望する、熱望する、渇望する」
  • yearn for : 「〜を切に願う、〜を切望する、非常に欲しがる、渇望する」
  • willing [wíliŋ] : 「自発的な、意欲的な、自分から進んで」
  • captive [kǽptiv] : 「捕虜、人質、とりこ」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、病的な、異常な」
  • appeal [əpíːl] : 「魅力、懇願」
❖ "For guilt still ~ "「なぜなら、なおも、罪は心に声を掛け、」"and the mind ~ "「心はその声を聞いて、罪を切望してしまうからだ」。"making itself a willing ~ "分詞構文、結果、「その結果、心は自ら進んで、罪の病的な魅力のとりこになってしまうのだ」。



Sin is an idea of evil that cannot be corrected, and yet will be forever desirable.
  • evil [íːvl] : 「害悪、悪、弊害、災害、不運」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
  • yet [jét] : 「さらに、その上」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • desirable [dizái(ə)rəbl] : 「望ましい、好ましい、価値のある、魅力がある」
❖ "Sin is an idea of ~ "「罪とは、修正不能であり、さらに、永遠に人を引きつける悪の考えである」。罪とは、悪を志向する考え方だ。しかも、その悪は、人の心を掴んで放さない。結果、罪も人の心から離れない。



As an essential part of what the ego thinks you are, you will always want it.
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、必須の、最も重要な、肝心な」
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「常に、いつも」
❖ "As an essential part ~ "「エゴがあなたをどう考えているかという、その最も重要な部分は、」"you will always ~ "「あなたは、罪を常に望んでいるということである」。常に悪を望んでいると解釈してもいいだろう。そういうあなたの心理を知っているので、エゴは悪や罪をあおり立てて、あなたを罪の意識に縛りつけ、攻撃に駆り立て、他者との、そして神との分離を促進させるのである。



And only an avenger, with a mind unlike your own, could stamp it out through fear.
  • avenger [əvéndʒər] : 「復讐者、敵を討つ人」
  • unlike [ʌnláik] : 「〜とは違って」
  • stamp [stǽmp] : 「〜を根絶する」
  • stamp out : 「撲滅する」
❖ "And only an avenger ~ "「そして、あなたの心とは似ても似つかぬ心ではあるが、復讐心だけが、恐れを通して、罪や悪を撲滅できるかもしれない」。仮定法であるから、もし可能だとしたら、罪を叩きのめせるのは復讐に燃えた心だけであろう、という意味合い。その復讐心も、正義の復讐心ではなく、恐れから発せられる卑小な復讐心である。だが、そんな復讐心は、誰彼の中にあるものではなく、もちろん、あなたの心と似ても似つかない。何を言いたいのかというと、罪や悪とまともに対抗するには、あなたの心の中に罪や悪に対する恐れがあって、恐れのあまり復讐するといった尋常ではない心理だけであろうが、それは、ほとんど不可能である、ということだ。ならば、罪や悪を永遠に払拭出来ないのかというと、そうではない。戦わずして罪や悪を滅ぼす方法がある。一言で言おう、罪や悪を、単なる幻想に過ぎないと看破して赦してやるのである。もちろん、ここの「赦し」とは、ACIM流の赦しであって、罪や悪を許容するという意味合いではない。罪や悪は存在し得ないと達観して、受け流してしまうということだ。



2. The ego does not think it possible that love, not fear, is really called upon by sin, and always answers.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • call upon : 「求める、要求する、招く、〜を頼む、〜に頼む」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • answer [ǽnsə(r)] : 「答える、返事する」
❖ "The ego does not ~ "「エゴはthat以下が可能だとは思ってもいない」。"that love, not fear, is ~ "「恐れではなく、愛が、罪によって呼び出され、そして、愛は常に、それに答える」ことなど可能だとは、エゴは思ってもいない。罪のあるところ、呼び出されるのは恐れでもないし、復讐心でもない。憎悪でもない。罪があるところ、常に、愛が求められるのだ。もちろん、この愛は実相的愛であって、神の愛と考えていい。ホーリー・スピリットの愛である。その愛が、罪を赦すのである。罪よ、お前は幻想に過ぎないのだ、と言って聞かせるわけだ。夢に過ぎない罪よ、消えてしまいなさい。



For the ego brings sin to fear, demanding punishment.
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って行く、〜を連れて行く」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • punishment [pʌ́ni∫mənt] : 「罰すること、罰、刑罰、処罰、懲罰」
❖ "For the ego brings ~ "「なぜなら、エゴは、罪を恐れに持ち込んで、罰を求めるからだ」。エゴは、罪があるから罰せられるべきだと考える。罰をちらつかせて恐怖を煽る。対して、ホーリー・スピリットは、罪は幻想だから、愛をもって赦してやりなさい、と言う。この違いは、あまりにも大きい。



Yet punishment is but another form of guilt's protection, for what is deserving punishment must have been really done.
  • another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • form [fɔ́ː(r)m] : 「形、外形、構造、姿、体つき、現れ」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • protection [prəték∫n] : 「保護、防御、防備、防衛」
  • deserving [dizə́ːrviŋ] : 「〜に値する、〜を受けて当然の」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "Yet punishment is ~ "「しかし、罰は、罪を守るまた別の形である」。"for what is deserving ~ "「なぜなら、罰に値することは、実際になされたに違いないからだ」。罪を守ると書いたが、罪を現実のものとして固定化する、といった意味合いである。つまり、罰を科すことで、罪が現実になされたものと決定され、罪が歴史上に固定化されてしまうのだ。かくして、罰は罪を現実化し、罪の幻想性を否定することになる。何しろ、歴史に刻まれたのだから。



Punishment is always the great preserver of sin, treating it with respect and honoring its enormity.
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
  • preserver [prizə́ː(r)və(r)] : 「保存するもの、保護するもの」
  • treat [tríːt] : 「扱う、取り扱う、処理する、待遇する」
  • respect [rispékt] : 「尊敬、敬意、尊重、考慮、顧慮」
  • with respect : 「丁寧に」
  • honor [ɑ́nə(r)] : 「〜に敬意を払う、尊敬する、称える、祭る、崇拝する」
  • enormity [inɔ́ː(r)məti] : 「巨大さ、極悪、大罪、重大な誤り」
❖ "Punishment is always ~ "「罰は、つねに、罪を大いに保存するものなのである」。罰は罪を帳消しにするのもではなく、罪を歴史に固定化し保存するものだ。"treating it with ~ "分詞構文、付帯状況、「そして、罰は罪を、その極悪非道さに敬意を表し、丁重に扱うのである」。



For what you think is real you want, and will not let it go.
  • let it go : 「あきらめる、忘れてしまう」
❖ "For what you think ~ "「なぜなら、実在するとあなたが思うものを、あなたは欲するのであり、それを諦めようとはしないからである」。罪は実際に存在するとあなたが思っているから、あなたは罪が罰せられることを求めるのだ。罪を手放そうとしない。したがって、神を裏切った罪によって、あなたは神から罰せられるに違いないと恐れているが、実は、その神の罰を求めているのはあなた自身なのである。あなたが、罪を現実のものと考えているうちは、あなたは無意識のうちに罰を求めるのである。そして、罰が下されるまで、罪を手放そうとしないし、罰が下れば、罪が歴史上に固定化されて、自分は晴れてりっぱな罪人として堂々と生きていける、というわけである。これほど屈折した心理があるだろうか。
 
 
 

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