●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-15.XI.3:1 ~ T-15.XI.4:8

3. This Christmas give the Holy Spirit everything that would hurt you.

  • hurt [hə́ː(r)t] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える、〜の感情を害する」
❖ "This Christmas give ~ "直訳すると、「このクリスマスは、あなたを傷つけるすべてのものに、ホーリー・スピリットを与えてくれる」。あなたはこれまで、同胞を、あなたを傷つける者と見てきた。あなたに犠牲を強い、平和を奪い、愛を破壊する者たちであった。しかし、このクリスマス、キリストの時にあたって、あなたは聖なる瞬間に目覚め、新たに生まれ変わったその目で見てみると、同胞の心の中には、すべてホーリー・スピリットが住んでいることがわかるのである。そして、あなた同様、同胞たちもキリストとして再生する運命にあることが理解出来るのだ。なぜなら、神の子達は実相世界では単一存在だからである。あなただけが神の子で、他の同胞たちは猿から進化した単なる動物に過ぎない、などということはないのである。



Let yourself be healed completely that you may join with Him in healing, and let us celebrate our release together by releasing everyone with us.
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜と一緒になる、結合する」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • celebrate [séləbrèit] : 「祝う、祝賀する、記念する」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
❖ "Let yourself be healed ~ "「あなた自身を完全にヒールしてもらいなさい」。"that you may join ~ "ここの"that"は"so that"「〜するために、その結果」のことで、「ヒーリングにあたって、あなたがホーリー・スピリットと一緒になれるように、」あなた自身を完全にヒールしてもらいなさい。"and let us celebrate ~ "「〜することによって、私たちの解放を共に祝おう」。"by releasing everyone ~ "「私たちと共に、すべての者を解放することで」。あなたも、同胞たちも、共に、心の中にホーリー・スピリットが、あるいはキリスト住んでいることを確認し、神聖なる瞬間において罪の意識を浄化し、みんなでヒールされようという意味合いだ。



Leave nothing behind, for release is total, and when you have accepted it with me you will give it with me.
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、置き忘れる」
  • behind [biháind] : 「後に、後ろへ、後ろ側に、背後に」
  • total [tóutl] : 「完全な、全くの、全部の、すべての、全体の、全面的な」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "Leave nothing ~ "「背後に何も置き去りにしないように」。同胞達の誰一人も除外しないように、ということ。"for release is ~ "「なぜなら、解放は全的なものだから」。神の子全体が解放されなくては意味がない。"and when you have ~ "「あなたが私と共に解放を受け入れたとき、」"you will give it ~ "「あなたは私と共に、解放を与えるだろう」。イエスと一緒になって解放を受け入れ、受け入れたなら、今度は同胞たちの解放を手伝いなさい、という意味合いだろう。



All pain and sacrifice and littleness will disappear in our relationship, which is as innocent as our relationship with our Father, and as powerful.
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、犠牲にすること、いけにえ」
  • littleness [lítlnis] : 「小さいこと、卑小さ」
  • disappear [dìsəpíə(r)] : 「存在しなくなる、消滅する、消失する、霧散する」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • innocent [ínəs(ə)nt] : 「潔白な、無罪の、無実の、純潔な、純真な、あどけない、無邪気な、無垢な」
  • powerful [páuə(r)fl] : 「強い、強力な、力強い、迫力のある」
❖ "All pain and sacrifice ~ "「すべての痛み、犠牲、卑小さは、私たちの関係性の中で消滅するだろう」。神の子とキリストが結合するという関係性の中で、罪の意識が消滅するにしたがい、痛みも犠牲も卑小さも消える。"which is as innocent as ~ "「その関係性は、私たちと父なる神との関係性と同じくらい純粋であり、パワフルである」。



Pain will be brought to us and disappear in our presence, and without pain there can be no sacrifice. And without sacrifice there love must be.
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて来る、〜を持ってくる」
  • disappear [dìsəpíə(r)] : 「存在しなくなる、消滅する、消失する、霧散する」
  • presence[prézns] : 「存在すること、存在)、居ること」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
❖ "Pain will be brought to ~ "「痛みが私たちに持ち込まれたとしても、」"and disappear in ~ "「私たちの存在の中で消滅するだろう」。神の子とキリストが結合して存在している以上、痛みさえも消滅する。"and without pain there ~ "「そして、痛みが存在しないのだから、犠牲も存在出来ない」。"And without sacrifice ~ "「犠牲が存在しないのだから、愛だけが存在するのである」。ここの記述を、十字架上のイエスを頭に置きながら読んでみるといい。まさに、十字架上のイエスはこのような状態だったのだ。 ここを読み間違ってしまうと、イエスの磔刑の意味はグロテスクなものになってしまう。哀しいかな、そのグロテスクが2000年続き、今なお何十億という人たちがそのグロテスクを信じているのだ。



4. You who believe that sacrifice is love must learn that sacrifice is separation from love.
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を知る、〜を学ぶ」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
❖ "You who believe that ~ "「犠牲が愛であると信じているあなたは、犠牲は愛からの分離であると学ばなくてはならない」。痛みや犠牲は幻想であり、愛だけが実相である。幻想と実相が等しいわけがないのだ。したがって、犠牲は愛でない。犠牲は、実相の愛から分離した概念に過ぎないのだ。つまり、愛が乖離し、外部世界(幻想世界)に投射されたものと、と思っていいだろう。



For sacrifice brings guilt as surely as love brings peace.
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて来る、〜を持って来る」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • surely [∫úə(r)li] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に、必ず」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "For sacrifice brings ~ "「なぜなら、愛が平和を確実にもたらすように、犠牲は確実に罪の意識をもたらすからだ」。平和は実相であり、罪の意識は幻想である。矛盾はない。



Guilt is the condition of sacrifice, as peace is the condition for the awareness of your relationship with God.
  • condition [kəndí∫n] : 「事情、条件、状態、状況、様子」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "Guilt is the condition ~ "「罪の意識は、犠牲の条件である」。"as peace is the condition ~ "「それはちょうど、平和が、神との関係性を意識するための条件であることと対をなす」。したがって、神との関係性も実相である。実相世界に存在するものは、互いに絡まり合って一つに収斂して行くのである。純粋一元論世界の必然である。ここでは平和が取り上げられているが、したがって、平和を喜び代えても、慈しみに代えても、美に代えても、すべて意味が通じるはずだ。是非、言葉を置き換えて読んでもらいたい。



Through guilt you exclude your Father and your brothers from yourself.
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して、〜を経由して」
  • exclude [iksklúːd] : 「〜を排除する、締め出す、〜を除く、除外する」
❖ "Through guilt you ~ "「罪の意識を通して、あなたは、父なる神と同胞たちをあなたの元から排除する」。罪の意識を持つことで、自分の小さな心の中に閉じこもって、あるいは幻想世界の片隅に閉じこもって、実相の神や神の子としての同胞たちとの接触を拒むのである。



Through peace you invite them back, realizing that they are where your invitation bids them be.
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • invitation [ìnvitéi∫n] : 「招き、招待」
  • bid [bíd] : 「命じる、命令する、指示する、勧誘する」
❖ "Through peace you invite ~ "「平和を通して、あなたは神や同胞たちを再び招き入れるのである」。"realizing that they are ~ "分詞構文、単純接続、「そして、神や同胞たちが、あなたの招きが彼らにいるように言った場所に、ちゃんといることを知るのである」。なんとも下手な訳でお恥ずかしい。つまり、あなたが神や同胞たちに、あなたの心の中にいて欲しいと招き入れると、すぐにも、神や同胞たちはその招きに応じて、あなたの心の中に戻ってきてくれるのである。なぜなら、あなたの心が平和だからである。



What you exclude from yourself seems fearful, for you endow it with fear and try to cast it out, though it is part of you.
  • exclude [iksklúːd] : 「〜を排除する、締め出す、〜を除く、除外する」
  • fearful [fíə(r)fl] : 「恐ろしい、怖い」
  • endow [endáu] : 「授ける、与える、〜に寄与する」
  • endow with : 「〜を与える」
  • cast [kǽst] : 「〜を投げる」
  • though [ðóu] : 「〜だけれども、〜だけど」
❖ "What you exclude ~ "「あなたがあなた自身から排除した者は、恐ろしげに見えてくる」。"for you endow it ~ "「なぜなら、あなたが恐れをそれらに与えたからだ」。"and try to cast ~ "「つまり、恐れを彼らに投げたのである」。"though it is part ~ "「その投げた恐れは、あなたの一部ではあるのだが」。彼らが恐ろしい者だから、あなたが恐れを感じるのではない。あなたが勝手に恐れを感じるから、つまり、あなたの心の一部である恐怖心を彼らに投げ与えてしまうから、彼らが恐ろしい者に見えるのである。恐れの原因、そのソースは、あなたの心の中にある。



Who can perceive part of himself as loathsome, and live within himself in peace?
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • loathsome [lóuðs(ə)m] : 「ひどく不快な、忌まわしい」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内部に」
  • in peace : 「平和に、平安に、安らかに、安心して」
❖ "Who can perceive ~ "「一体誰が、自分自身の一部を忌まわしく感じ、その上で、自分自身の内部で平安に暮らしていけるだろうか」。したがって、その自分の心の中の忌まわしさを外部世界に投射するのである。忌まわしいのはアイツだ、と決めつけるのだ。その結果、忌まわしいアイツが恐ろしい存在となる。



And who can try to resolve the "conflict" of Heaven and hell in him by casting Heaven out and giving it the attributes of hell, without experiencing himself as incomplete and lonely?
  • resolve [rizɑ́lv] : 「解く、らす、解消する、除く、説明する、解明する、解決する」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「葛藤、軋轢、争い、紛争」
  • hell [hél] : 「地獄、修羅場、生き地獄」
  • cast [kǽst] : 「〜を投げる」
  • cast out : 「捨てる、見捨てる、追い出す、追い払う、追放する、投げ出す」
  • attribute [ətríbjuːt] : 「属性、特質、特性、性格」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • incomplete [ìnkəmplíːt] : 「不完全な、不十分な、未完成の」
  • lonely [lóunli] : 「寂しい、ひとりの、孤独の、孤立した、心細い」
❖ "And who can try to resolve ~ "「そして、いったい誰が〜を解決しようと努力出来ようか」。何を解決するかというと、"the "conflict" of ~ "「彼の心の中の、天の王国と地獄の『コンフリクト』を」解決することが出来るだろうか。どんな手段でかというと、"by casting Heaven out ~ "「天の王国を心の外に追い出して、それに地獄の属性を与えることで、」コンフリクトを解決することが出来るだろうか。どんな状態でかというと、"without experiencing himself ~ "「自分自身を不完全で孤独なものと経験することなく、」コンフリクトを解決することが出来るだろうか。あなたの心の中には、天と地獄の葛藤、つまり、実相世界と幻想世界の葛藤、つまり、ホーリー・スピリットとエゴの葛藤が存在する。その葛藤から逃れるために、もしあなたが、天を、つまり、実相世界やホーリー・スピリットを捨てて、さらに、それらに地獄や幻想世界やエゴのもつ性質をかぶせて捨てたりしたら、きっとあなたは、自分の不完全性、孤独をいやというほど感じるであろう。ますます、自分を虫けらのような卑小な者だと経験してしまうのだ。
 
 
 

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