●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-12.II.9:1 ~ T-12.II.10:7

9. You who have tried to banish love have not succeeded, but you who choose to banish fear must succeed.

  • banish [bǽni∫] : 「追い出す、追放する、払いのける」
  • succeed [səksíːd] : 「成功する」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "You who have tried to ~ "「愛を追放しようとしたあなたは成功しなかったが、」"but you who choose ~ "「恐れの追放を選択するあなたは間違いなく成功する」。



The Lord is with you, but you know it not. Yet your Redeemer liveth, and abideth in you in the peace out of which he was created.
  • Lord [lɔ́ː(r)d] : 「藩主、領主、主人、支配者、神」
  • Redeemer [ridíːmər] : 「救い主、キリスト」
  • -eth : 「三人称単数現在形の動詞の語尾につける」
  • abide [əbáid] : 「居住する、とどまる」
  • out of : 「 〜から、〜によって、〜から作り出して、〜を材料として」
❖ "The Lord is with ~ "「主なる神はあなたと共にいるが、」"but you know ~ "「あなたはそれを知らない」。"Yet your Redeemer ~ "「しかし、あなたの救い主は生きており、あなたの中に、平和の内に、住んでいる」。"out of which he was ~ "「その平和から、救い主は創造されたのである」。"Redeemer"「救い主」は神であるが、キリストと考えてもいいし、ホーリー・スピリットと考えてもいいだろう。三位一体であるから、ある角度から見れば神であり、別の角度から見ればキリストに見え、またある角度から見ればホーリー・スピリットに見えると了解していい。一元論の世界では明確な分離、区分けはしないのである。出来ないのだ。なぜなら、対極概念がないからだ。したがって、たとえば愛や平和や喜びも、見る角度でそのように見えるだけであって、元は一つと考えていい。あたかも一つの白色光線が、プリズムの角度で赤に見えたり黄に見えたり青に見えたりするようなものである。



Would you not exchange this awareness for the awareness of fear?
  • exchange [ikst∫éin(d)ʒ] : 「〜を交換する、〜を両替する」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "Would you not exchange ~ "「恐れの意識の代わりに、このような意識に換えたいと思わないだろうか」。このような意識とは、主なる神、救い主があなたの中に住んでいるという意識。



When we have overcome fear--not by hiding it, not by minimizing it, and not by denying its full import in any way--this is what you will really see.
  • overcome [òuvə(r)kʌ́m] : 「克服する、乗り越える、乗りきる」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • minimize [mínəmàiz] : 「最小限にする、最小化する」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • full [fúl] : 「いっぱいの、充満する、全部の、全面的な、徹底した、完全な」
  • import [ímpɔː(r)t] : 「重要性、意味、趣旨」
  • in any way : 「多少なりとも、決して、形はどうあれ」
  • really [ríː(ə)li] : 「確かに、本当に、真に、実際に、現実に」
❖ "When we have ~ "「恐れを隠すのではなく、恐れを最小化するのでもなく、形はどうであれ、恐れのもつ完全な意味を否定するのでもなく、私たちが恐れを克服したとき、」"this is what you will ~ "「これが、あなたが実際に目にすることである」。これとは、主なる神、救い主があなたと共に平和の内にあるということ。"not by denying its full import in any way"「形はどうであれ、恐れのもつ完全な意味を否定するのでもなく」という部分が意味が判然としないかもしれない。恐れを頭ごなしに否定するのではなく、恐れの原因、その意味を十分に理解した上で否定せよ、という意味であろう。恐れは、攻撃されるのではないか、奪われるのではないか、という危機感から生まれるが、しかし、それは幻想である。実相の愛に満たされていれば攻撃されることも奪われることもなく、したがって、恐れは存在しない。つまり、恐れは愛の欠如を表している。そういうことをきちんと理解した上で、恐れを否定し、克服せよ、ということである。



You cannot lay aside the obstacles to real vision without looking upon them, for to lay aside means to judge against.
  • lay [léi] aside [əsáid] : 「のけておく、捨てる、放棄する」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害、邪魔」
  • real [ríː(ə)l] : 「現実の、実際の、本物の」
  • vision [víʒ(ə)n] : 「視覚、視力、洞察力、想像力、考え方」
  • look upon : 「〜を見る、〜を観察する」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
  • against [əgénst] : 「〜に反対して、不賛成で、〜に逆らって」
❖ "You cannot lay aside ~ "「障害物を観察することなく、現実を見ることの障害になっているものを除去することは出来ない」。"for to lay aside ~ "「なぜなら、除去するとは、それに対して反対の判断を下したことを意味するからだ」。実相世界を見ることの障害となっている恐れを直視し、よく観察してから、恐れに対して否の判断を下し、除去せよ、ということ。



If you will look, the Holy Spirit will judge truly. Yet he cannot shine away what you keep hidden, for you have not offered it to him and he cannot take it from you.
  • truly [trúːli] : 「正確に、忠実に、偽りなく」
  • shine [∫áin] : 「輝く、光る、〜をキャンセルする、〜をとりやめる」
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく」
  • hidden [hídn] : 「hideの過去分詞形」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、ささげる、提供する」
❖ "If you will look ~ "「もしあなたが見るなら、ホーリー・スピリットは正しく判断するであろう」。"Yet he cannot shine away ~ "「しかし、ホーリー・スピリットはあなたが隠し続けているものをさらけ出すことはできない」。"for you have not ~ "「なぜなら、あなたが差し出さない限り、ホーリー・スピリットは受け取れないからだ」。一旦受け取ることが出来たら、ホーリー・スピリットは正しく判断してくれる。だから、恐れを心の中に隠し持たずに、勇気をもってさらけ出し、よく観察し、理解した上で、ホーリー・スピリットに差し出せばいいのだ。



10. We are therefore embarking on an organized, well-structured and carefully planned program aimed at learning how to offer to the Holy Spirit everything you do not want.
  • embark [embɑ́ː(r)k] : 「乗船する、着手する」
  • embark on : 「〜に乗り出す、〜に着手する」
  • organize [ɔ́ː(r)g(ə)nàiz] : 「〜を組織化する、編成する、体系づける」
  • structure [strʌ́k(t)∫ə(r)] : 「〜を構造化する、構築する」
  • well-structured : 「よく構成された」
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • planned : 「計画された」
  • program [próugræm] : 「講義要目、課程、学習計画、カリキュラム」
  • aim [éim] : 「狙う、目指す、目的とする」
  • aim at : 「 〜を目指す、〜を得ようとする」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "We are therefore embarking ~ "「そこで私たちは〜に着手しようと思う」。"an organized, well-structured ~ "「組織化され、よく構成され注意深く計画されたプログラムに」着手しようと思う。"aimed at learning ~ "「あなたが望まないことのすべてをホーリー・スピリットにどうやって差し出すかということを学ぶ目的の」プログラムに着手しようと思う。



He knows what to do with it. You do not understand how to use what he knows. Whatever is given him that is not of God is gone.
  • how to : 「〜するための方法、〜のやり方、〜の仕方」
  • Whatever [(h)wʌtévə(r)] : 「〜するのは何でも」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "He knows what ~ "「ホーリー・スピリットは、(差し出されたものに対して)何をしたらいいか知っている」。あなたは、あなたの望まないことをすべてホーリー・スピリットに差し出すのだが、ホーリー・スピリットはその扱いをちゃんと知っている。"You do not understand ~ "「あなたは、ホーリー・スピリットが知っていることをどう使うのか、理解はしていない」。あなたから差し出され、ホーリー・スピリットが知ったことを、ホーリー・スピリットがどのように処理するのか、あなたは理解していない。実は、"Whatever is given him that ~ "「ホーリー・スピリットに差し出されたもののうち、神に属さないものは捨てられるのだ」。つまり、実相に属するものは残され、幻想の産物は捨てられる。



Yet you must look at it yourself in perfect willingness, for otherwise his knowledge remains useless to you.
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完ぺきな、完全な」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、快くすること」
  • otherwise [ʌ́ðə(r)wàiz] : 「さもなければ、そうしないと、そうでなければ」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • useless [júːsləs] : 「役に立たない、無用な、無駄な」
❖ "Yet you must look at ~ "「しかしあなたは、あなた自身、そうしたいと望む完璧な熱意をもって、それを見なければならない」。ホーリー・スピリットに差し出してそれっきり、ではいけない。あなたが望まないものでホーリー・スピリットに差し出したもの、たとえば恐れなどを、自らも熱意をもって見つめ直さなくてはいけない。"for otherwise his knowledge ~ "「なぜなら、さもなければ、ホーリー・スピリットの叡智はあなたにとって役に立たないことになってしまうからだ」。ホーリー・スピリットは叡智をもって、実相に属するものは残し、幻想に属するものは捨てるのだが、あなたもそれに参加して自分を見つめ直さなくては、ホーリー・スピリットの仕事は成就しない。なぜなら、あなた自身も叡智を身に付けなくては意味がないからだ。なぜか? あなたは、叡智をすでに神から継承しており、その叡智はあなたの中で眠っているだけなのであるから。



Surely he will not fail to help you, since help is his only purpose.
  • Surely [∫úə(r)li] : 「疑いなく、確かに、確実に、必ず」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • fail to : 「〜しない、〜しそこなう、〜できない」
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "Surely he will not ~ "「確かに、ホーリー・スピリットはあなたを助けることに失敗はしないだろう」。"since help is his only ~ "「なぜなら、助けることこそが、ホーリー・スピリットの目的だからである」。



Do you not have greater reason for fearing the world as you perceive it, than for looking at the cause of fear and letting it go forever?
  • great [gréit] : 「重要な、重大な」
  • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • cause [kɔ́ːz] : 「理由、原因、要因、動機」
  • let it go : 「あきらめる」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Do you not have greater ~ "「恐れの原因を見つめ、そしてそれを永遠に手放してしまうというより、あなたが知覚したままに世界を恐れる方がずっといいという理由を、あなたは持っていないのではないか」。確かに持っていない。恐れを抱えて生きることは意味がない。したがって、恐れの原因を見つめ、手放すことが肝要となる。
 
 
 

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