●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-11.VI.5:1 ~ T-11.VI.6:7

5. Do not underestimate the power of the devotion of God's Son, nor the power the god he worships has over him. 

  • underestimate [ʌ̀ndəréstəmət] : 「過小評価する、見くびる」
  • devotion [divóuʃən] : 「献身的愛情、無私の愛」
  • nor [nɔːr] : 「〜もまた〜でない」
  • worship [wə́ːrʃip] : 「崇拝する、賛美する」
❖ "Do not underestimate ~ "「神の子の献身的愛のパワーを過小評価してはいけない」。"nor the power ~ "「また、神の子が崇拝する神が、神の子に及ぼすパワーも過小評価してはいけない」。神の子が崇拝する神とは、神の子がでっち上げた様々な神のこと。簡単に言えば、エゴが支持する偽りの神だ。しかし、その偽りの神の影響力を過小評価してはいけない。



For he places himself at the altar of his god, whether it be the god he made or the God Who created him. 
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
  • whether A or B : 「AであろうとBであろうと」
❖ "For he places ~ "「なぜなら、神の子は、彼の神の祭壇に彼自身を供え置くからだ」。"whether it be ~ "「彼の神が彼の作った神であれ、彼を創造した神であれ」。偽りの神であれ本当の神であれ、その祭壇に神の子は自分自身を捧げ、その神に献身的な愛を注ぐ。その神が本当の神ならいいが、それが偽りの神であると非常に厄介なことになってしまう。献身的な愛はほとんど盲目的な愛に変化し、牢獄状態から抜け出すことが困難になってしまう。社会的な事件を起こすカルト教団を見れば、その辺の事情が推察できる。



That is why his slavery is as complete as his freedom, for he will obey only the god he accepts. 
  • slavery [sléivəri] : 「隷属、服従」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、徹底的な」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
  • accept [əksépt] : 「承認する、受け入れる」
❖ "That is why ~ "「それが、神の子の奴隷性が彼の自由性と同じく徹底的である理由だ」。"for he will ~ "「なぜなら、神の子は、彼が受け入れた神だけにしか従おうとしないからだ」。真の神に従えば、完全な解放と独立と自由を手に入れることが出来、偽りの神に従えば、完全な隷属と服従と牢獄を手にすることとなる。ホーリー・スピリットに従うか、エゴに従うか、その差は非常に大きい。



The god of crucifixion demands that he crucify, and his worshippers obey. 
  • crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「磔刑、十字架刑」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • crucify [krúːsifài] : 「〜を十字架に張り付けにする」
  • worshipper [wə́ːrʃipər] : 「崇拝者、礼拝者」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
❖ "The god of ~ "「磔刑の神は、神の子に磔刑するように求める」。"and his worshippers ~ "「そして、磔刑の神の崇拝者たちはそれに従う」。磔刑の神は攻撃の神であり、エゴが支持する神である。恐れ、妬み、憎み、殺害を促す偽の神だ。



In his name they crucify themselves, believing that the power of the Son of God is born of sacrifice and pain. 
  • in one's name : 「〜の名のもとに」
  • be born of : 「〜から生まれる」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚」
❖ "In his name ~ "「磔刑の神の名において、神の子たちは自分自身を磔刑に処す」。"believing that ~ "分詞構文、理由、「神の子のパワーは犠牲と痛みから生まれるものだと信じているので」。キリスト教的殉教思想はこれに近いものかもしれない。イエス・キリストが磔刑に処せられたことを神の意志であると曲解して、自らも磔刑を望んで神の意志に従おうとする。あるいは、イエス・キリストの磔刑を擬似的に体験することで、神に近づこうとする。しかし、ACIMの神は、イエス・キリストの磔刑と全く無関係である。



The God of resurrection demands nothing, for he does not will to take away. 
  • resurrection [rèzərékʃən] : 「復活、再生」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • take away : 「取り上げる、奪い去る」
❖ "The God of ~ "「復活の神は何も要求しない」。"for he does ~ "「なぜなら、復活の神は奪い取ろうとする意志がないからだ」。"The God of resurrection(復活の神)" がACIMの神であり、真の神である。真の神は犠牲を強いないし、何一つ奪わない。逆に、すべてを惜しみなく与える。



He does not require obedience, for obedience implies submission. 
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、要求する」
  • obedience [oubíːdiəns] : 「服従、忠実」
  • imply [implái] : 「暗に伝える、ほのめかす」
  • submission [səbmí∫n] : 「降伏、服従」
❖ "He does not ~ "「復活の神は忠実さを求めない」。"for obedience ~ "「なぜなら、忠実とは暗に服従を意味するからだ」。復活の神は、神の子の自由意志を一番に重んずる。



He would only have you learn your will and follow it, not in the spirit of sacrifice and submission, but in the gladness of freedom.
  • would [wúd] : 「〜したいと思う」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「学ぶ、分かる、習う」
  • follow [fɑ́lou] : 「〜の後について行く、〜に従う」
  • in the spirit of : 「〜の精神で、〜の姿勢で」
  • gladness [ɡlǽdnis] : 「喜ばしさ、喜び、うれしさ」
❖ "He would only ~ "「復活の神は、ただあなたに、あなたの意志を知り、それに従ってもらいたいと思っているだけだ」。"not in the spirit ~ "「しかも、犠牲や服従の気持ちからではなく、自由の喜びに満ちて、そうして欲しいと思っている」。



6. Resurrection must compel your allegiance gladly, because it is the symbol of joy. 
  • compel [kəmpél] : 「強要する、屈服させる」
  • allegiance [əlíːdʒəns] : 「忠誠、忠実」
  • gladly [ɡlǽdli] : 「喜んで」
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、表象」
❖ "Resurrection must ~ "「復活は、あなたが喜んで忠実を尽くすようにさせるに違いない」。"because it is ~ "「なぜなら、復活とは喜びの象徴だからである」。ここの"allegiance(忠実)"は、あなたの意志に忠実であるということ。神への服従を意味してはいない。



Its whole compelling power lies in the fact that it represents what you want to be. 
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な」
  • compelling [kəmpéliŋ] : 「強制的な、抵抗し難い」
  • lie [lái] in : 「〜にある」
  • fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、意味する、示す」
❖ "Its whole compelling ~ "「その全く否応(いやおう)のないパワーはthat以下の事実の中に潜んでいる」。"that it represents ~ "「復活は、あなたがそうなりたいということを表している」事実の中に潜んでいる。あなたが復活したいと心から望むことが、あなたを復活へと否応なく駆り立てている。そのパワーはあなたの復活への熱意に存在する。



The freedom to leave behind everything that hurts you and humbles you and frightens you cannot be thrust upon you, but it can be offered you through the grace of God. 
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • behind [biháind] : 「後に、後ろへ、背後に」
  • leave behind : 「〜を置き去りにする」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
  • humble [hʌ́mbl] : 「屈辱的な状態にする、卑しめる」
  • frighten [fráitn] : 「〜を怖がらせる」
  • thrust [θrʌ́st] : 「強く押す、押しやる」
  • thrust upon : 「〜に押し付ける、追い込む」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「提供する、差し出す」
  • grace [gréis] : 「恩恵、優雅、優美」
❖ "The freedom to ~ "「あなたを傷つけ、あなたを辱め、あなたを怖がらせるすべてのものを置き去りにする自由は、あなたに強制できるものではないが、」"but it can ~ "「その自由は、神の恩恵を通してあなたに差し出され得る」。"through the grace of God"「神の恩恵を通して」とは、神の熱い願いを通して、神の愛を通して、といった意味合いであろう。あなたがその気にさえなれば、あなたはあなたを害するすべてのものから自由になれるし、神はそれを強く望んでいる。



And you can accept it by his grace, for God is gracious to his Son, accepting him without question as his own. Who, then, is your own? The Father has given you all that is his, and he himself is yours with them. 
  • gracious [gréi∫əs] : 「恵み深い、慈悲深い、優しい」
❖ "And you can ~ "「そして、あなたは、神の恩恵によって自由を受け入れることが出来る」。神の愛が差し出してくれる自由を、あなたは恐れを抱くことなく受け入れることが出来る。"for God is ~ "「なぜなら、神は神の子に対して慈悲深いからだ」。"accepting him ~ "分詞構文、単純接続、「そして、神は何の疑いもなく、神自身として神の子を受け入れてくれる」。ここの"own"は形容詞であるが、名詞的に用いられている。次の"your own"も同様。"Who, then, is ~ "「では、いったいあなた自身とは誰であろうか」。"The Father has ~ "「父なる神は、神のものであるすべてをあなたに与えたのであり、」"and he himself ~ "「それらと共に、神自身があなたのものなのである」。では、あなた自身とは何か? 神そのものだと言っても決して不遜ではない。神人一如、神人一体の思想は驕り高ぶった思想ではなく、神がそう意志したことだ。実相世界におけるあなたの本当の心は、まさに神の分身である。神の子とは、そういうことだ。



Guard them in their resurrection, for otherwise you will not awake in God, safely surrounded by what is yours forever.
  • guard [gɑ́ːrd] : 「〜を守る、保護する」
  • resurrection [rèzərékʃən] : 「復活、再生」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ」
  • awake [əwéik] : 「目が覚める、起きる」
  • safely [séifli] : 「安全に、支障なく、無事に」
  • surround [səráund] : 「包囲する、囲む」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Guard them in~ "「神の子が復活するに際して、その同胞を守ってあげなさい」。"for otherwise ~ "「なぜなら、さもなければ、あなたは神の中に目覚めることはないだろうから」。"safely surrounded ~ "分詞構文、付帯状況、頭に"being"を補えばいい、「永遠にあなたのものであるものによって、安全に囲まれながら」目覚めることはないであろう。自他一如によって、あなただけが復活しても意味がない。同胞をすべて含め、神の子全体が復活して初めて、神の王国に回帰できる。そして、一なる心は深い眠りから目覚め、そのときあなたは、自分の回りを、まさにすべてが取り囲んでいることに気付く。なぜなら、あなたはすべてと一体であり、一如であり、あなたのものでないものは何一つないからだ。






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