●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-11.VI.3:1 ~ T-11.VI.4:9

3. This course is perfectly clear. If you do not see it clearly, it is because you are interpreting against it, and therefore do not believe it. 
  • course [kɔ́ːrs] : 「課程、講座、科目、コース」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • clear [klíər] : 「明らかな、明瞭な」
  • clearly [klíərli] : 「はっきりと、疑いもなく、明らかに」
  • interpret [intə́ːrprət] : 「解釈する、解明する」
❖ "This course is ~ "「このコースは完全に明快である」。"If you do not ~ "「もしあなたが、このコースが明快に見えないとしたら、」"it is because ~ "「それはあなたが、このコースに反した解釈をしているからであり、」"and therefore ~ "「その結果、あなたはこのコースを信じていないからだ」。このコースは明快であると言ってはいるが、難解ではないとは書いていない。難解な箇所の解釈に悩む者にとっては、ちょっと安心。



And since belief determines perception, you do not perceive what it means and therefore do not accept it. 
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
  • belief [bilíːf] : 「信念、信仰、信条」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、確定する」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、受け入れる」
❖ "And since belief ~ " ここではコースを信じていないことに関して述べていて、「そして、信念が知覚を決定するので、」人は信じているものだけを見るので、"you do not ~ "「あなたはこのコースが意味するものを知覚せず、したがって、コースを受け入れることもない」。このコースを信じられないあなたは、エゴの信念体系に依存しているので、知覚もそれに準じて影響を受け、このコースが意味するところを正しく知覚することが出来ない。その結果、このコースを受け入れることも出来ない。



Yet different experiences lead to different beliefs and experience does teach. 
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験、見聞」
  • lead [líːd] to : 「結果として〜に導く、結局〜となる」
❖ "Yet different ~ "「しかし、異なった経験は異なった信念へとつながり、だから、経験は教えることが出来る」。信念体系は可変である。それを変化させるのは経験。エゴの信念体系にどっぷりと浸かっていても、何らかの、それまで経験しなかったことを経験することで、あなたはエゴの信念体系を変化させ、そこから脱却できるかもしれない。経験は教え、あなたは経験から学ぶ。



I am leading you to a new kind of experience that you will become less and less willing to deny. 
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する」
  • kind [káind] : 「種類、質、本質」
  • less and less : 「次第に少なく、減少して」
  • be willing to : 「進んで〜する、〜に前向きである」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む」
❖ "I am leading ~ "「私はあなたを、新しい種類の経験へと導いている」。ホーリー・スピリット(キリスト)があなたを新しい経験へと導く。"that you will ~ "ここの"that"は"so that"のことで、「その結果、〜できるように」という意味、「その結果、あなたは否定したい気持ちをどんどん減らしていくだろう」。真実を否定するエゴ的な気持ちを減らしていく。



Learning of Christ is easy, for to perceive with him involves no strain at all. 
  • easy [íːzi] : 「たやすい、容易な、簡単な」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う」
  • strain [stréin] : 「緊張、精神的緊張」
  • at all : 「全く〜ない、少しも〜ない」
❖ "Learning of Christ ~ "「キリストを学ぶことは容易である」。"for to perceive ~ "「なぜなら、キリストと共に知覚することは、全く何も緊張を含まないからだ」。存在しないものを存在すると知覚することで緊張が生まれる。キリストは、存在するものを存在するとし、存在しないものを存在しないと知覚する。真実を教えるので、矛盾もなければごまかしもなく、緊張感は生まれない。



His perceptions are your natural awareness, and it is only the distortions you introduce that tire you. 
  • natural [nǽtʃərəl] : 「普通の、ありのままの、自然な」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、意識性」
  • distortion [distɔ́ːrʃən] : 「ゆがめること、歪曲」
  • introduce [intrədjúːs] : 「取り入れる、導入する」
  • tire [táiər] : 「〜を疲れさせる」
❖ "His perceptions ~ "「キリストの知覚とは、あなたの自然な意志性である」。"and it is only ~ "「そして、あなたを疲れさせるのは、あなたが取り込む歪曲だけである」。あなたに疲労を感じさせない、自然な意識がキリストの知覚であり、あなたが疲労を覚えるなら、それは意識を無理にねじ曲げているからだ。存在しないものを無理に存在しているかのように知覚しようとするからだ。



Let the Christ in you interpret for you, and do not try to limit what you see by narrow little beliefs that are unworthy of God's Son. 
  • Let [lét] : 「させる、させてやる」
  • interpret [intə́ːrprət] : 「解釈する、解明する」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する」
  • narrow [nǽrou] : 「狭い、限られた」
  • unworthy [ʌnwə́ːrði] : 「〜に値しない、〜にふさわしくない」
  • be unworthy of : 「足りない、〜に値しない」
❖ "Let the Christ ~ "「あなたの中のキリストに、あなたのために解釈させなさい」。ここの"for"は「〜の代わりに」という意味合い。"and do not ~ "「そして、あなたの見るものを、〜によって制限しないように努めなさい」。"by narrow little ~ "「神の子にはふさわしくない狭くて小さな信念によって」制限しないように努めなさい。あなたの中のキリストは、知覚したものを歪めて解釈することはない。したがって、あなたはリラックスしたままでいられる。疲労はない。虚偽を強いるエゴの小さな信念体系によって正しい知覚が制限されないように努めるべきだ。



For until Christ comes into his own, the Son of God will see himself as Fatherless.
  • come into one's own : 「実力を発揮する、真価を発揮する」
  • fatherless [fάːðərlis] : 「父のいない、父親の分からない」
❖ "For until Christ ~ "「なぜならば、(あなたの中の)キリストが真価を発揮するまで、」"the Son of God ~ "「神の子は自分自身を父なる神のいない者として見るだろうからだ」。あなたの中のキリストに知覚の解釈を委ねることによって、あなたは自分の中のキリストの存在に気付き、自分が神の子であること、したがって、自分には父なる神がいることを知る。あなたは、神が自らの延長上に創造した神の子である。



4. I am your resurrection and your life. You live in me because you live in God. And everyone lives in you, as you live in everyone. 
  • resurrection [rèzərékʃən] : 「よみがえり、蘇生、復活」
❖ "I am your ~ "「私(キリスト)はあなたの復活であり、あなたの命である」。"You live in ~ "「私はあなたの中に生きている」。"because you live ~ "「なぜなら、あなたは神の中に生きているからだ」。"And everyone ~ "「そしてすべての者があなたの中に生きている」。"as you live ~ "「同時に、あなたはすべての者の中に生きているのだ」。神と聖霊(キリスト)と神の子が渾然一体として生きる。実相世界の三位一体である。キリストはほぼホーリー・スピリットと重なり、多面的なホーリー・スピリットの、重要な役割を担った一面がキリストだと思っていいだろう。なお、"I am your resurrection and your life" はヨハネによる福音書11:25の書き換えである。参考までに載せておく。

[John 11:25~27 from King James Bible]
Jesus said unto her, I am the resurrection, and the life: he that believeth in me, though he were dead, yet shall he live: And whosoever liveth and believeth in me shall never die. Believest thou this? She saith unto him, Yea, Lord: I believe that thou art the Christ, the Son of God, which should come into the world.

イエスは言われた。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。 生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております。」(新共同訳) 



Can you, then, perceive unworthiness in a brother and not perceive it in yourself? And can you perceive it in yourself and not perceive it in God?
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • unworthiness [ənwə́ːrðinis] : 「無価値」
❖ "Can you, then ~ "「そこで、あなたは同胞の中に無価値を知覚し、同時にあなたの中に無価値でないものを知覚するということが可能であろうか」。自他一如であるから、つまり、あなたの中に同胞がおり、同胞の中にあなたがいるのだから、あなたが価値ある存在なら、同胞もまた価値ある存在だ。"And can you ~ "「そして、あなたの中に無価値を知覚し、同時に神の中には無価値を知覚しないなどいうことが出来るだろうか」。



Believe in the resurrection because it has been accomplished, and it has been accomplished in you. 
  • believe [bilíːv] in : 「〜の存在を信じる、〜を信頼する」
  • accomplish [əkɑ́mpliʃ] : 「成し遂げる、果たす、成就する」
❖ "Believe in the ~ "「復活を信じなさい」。"because it has ~ "「なぜなら、復活はすでに達成されているし、」"and it has ~ "「あなたの中でも、復活は成就されているのだから」。実相世界は時空間の存在しない世界であり、すべてが一瞬にして起き、その一瞬が永遠に続く。リニアな時間軸で見れば、あなたの復活はまだ起きていないように見えるだろうが、ホログラム的な見方をすれば、あなたの復活はすでに完了している。あるいは別の見方をすれば、キリスト教的な解釈をして、イエス・キリストの蘇生によって復活は成就され、それによってあなたの復活も成就されたととらえても誤りはないであろう。キリストとあなたは、自他一如なのだから。でも、キリスト教的な解釈はACIMらしくない。



This is as true now as it will ever be, for the resurrection is the Will of God, which knows no time and no exceptions. 
  • exception [iksépʃən] : 「例外、異議、反対」
❖ "This is as ~ "「これは今も真実であり、未来もまた変わらず真実であり続ける」。"for the resurrection ~ "「なぜなら、復活は神の意志であり、神は時間など知らないし、例外もまた知らない」。神は実相の世界にいるので、神には時間など存在しない。また、神は真実のみを知っているので、神には例外はない。神が復活を意志したのなら、それは例外なく永遠に意志し続けられる。



But make no exceptions yourself, or you will not perceive what has been accomplished for you. 
  • accomplish [əkɑ́mpliʃ] : 「成し遂げる、成就する」
❖ "But make no ~ "「しかし、(神のみならず)あなた自身も例外を作ってはいけない」。"or you will ~ "「さもなければ、あなたのために達成されたものを、あなたは知覚することがなくなるだろう」。神は例外なく、すべての神の子の復活を意志した。その状況下で、もしあなたが、あなたの同胞の誰かを、あいつは復活に値しないなどと言って、例外を作ってしまってはいけない。それは神の意志に背くことであって、実相という現実から目をそらすことになる。結果、自分に与えられた復活さえも取り逃がしてしまう。



For we ascend unto the Father together, as it was in the beginning, is now and ever shall be, for such is the nature of God's Son as his Father created him.
  • ascend [əsénd] : 「上がる、登る、上る」
  • in the beginning : 「初めに、まず最初は、当初は」
  • nature [néitʃər] : 「本質、特質、本性」
❖ "For we ascend ~ "「なぜなら、私たちはすべて一緒になって、父なる神の元へ昇るからだ」。神の子は、例外なくすべての同胞と共に、神の下(もと)へとアセンドする。復活とは本来そういうものだ。幻想世界から目覚め、そこを離れて実相世界へ昇るのである。"as it was in ~ "「それは、初めもそうであり、今もそうであり、未来永劫にそうである」。復活は実相世界における真実の出来事だから、時間の制約を受けない。復活は無時間の中で成就される。したがって、復活は過去であり、現在であり、未来である。"for such is ~ "「なぜなら、神の子の父なる神が、神の子をそう創造したので、神の子の自然な性質はそうであるからだ」。神は神の子が必ず復活するように創造した。したがって、復活は神の子の自然な属性である。それを否定することは不可能だ。






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