●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-7.IV.1:1 ~ T-7.IV.2:10

IV. Healing as the Recognition of Truth
真実の認識としてのヒーリング



1. Truth can only be recognized and need only be recognized. Inspiration is of the Holy Spirit, and certainty is of God according to his laws. 
  • truth [trúːθ] : 「現実、真実、真理」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を承認する、〜を認識する」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • inspiration [ìnspəréiʃən] : 「ひらめき、霊感」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと」
  • according [əkɔ́ːrdiŋ] to : 「〜によれば、〜の言うところによれば」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
❖ "Truth can only ~ "「真実は認識されることだけが可能であり、また、認識されることだけが必要である」。真実は、新しく創り出す必要も改良する必要もない。真実は永遠不変にそこにあり、受け入れられるのみである。"Inspiration is of ~ "「インスピレーションはホーリー・スピリットのものであり、神の法によれば、確信は神のものである」。インスピレーションはホーリー・スピリットに所属し、確信は神に所属する、という意味合い。インスピレーションとは、真実の総体である叡智からほとばしり出る真実の息吹、といった感じか・・・。インスピレーションは具象的なものではなく、完全に抽象的な想念であるから、あなたが自由に具体的なイメージを作ってとらえればいい。また、神の確信とは、神は信じて疑わない、という意味ではない。神には信じるという概念はない。神は真実のすべてを『知っている』だけであり、『信じる必要はない』のだ。それが"certainty(確信)"である。神の法によれば、とあるが、天の王国を司る法が神の法である。その神の法によれば、天の王国においては、真実を疑うこともなければ信じることもない。真実はそこにあり、受け入れるだけだ、それが確信である、ということになる。



Both, therefore, come from the same Source, since inspiration comes from the Voice for God and certainty comes from the laws of God. 
  • both [bóuθ] : 「両方、双方、両者」
  • come from : 「〜から来る、〜に由来する」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
❖ "Both, therefore ~ "「それゆえ、両者は同じソースに由来している」。両者とは、インスピレーションと確信。"since inspiration ~ "「なぜならば、インスピレーションは神の声に由来し、確信は神の法に由来するからである」。つまり、"Source(ソース、源)"とは、神である。あなたの心が真実の煌(きら)めきを感じたなら、そのインスピレーションはあなたの心の中のホーリー・スピリット発せられた真実の光だと了解し、その源は神であると知って、その真実を素直に『確信』すればいい。



Healing does not come directly from God, Who knows his creations as perfectly whole. 
  • directly [dəréktli] : 「直接に、真っすぐに」
  • creation [kriéi∫n] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "Healing does not ~ "「ヒーリングは直接神に由来するものではない」。"Who knows his ~ "最初の"Who"は関係代名詞、「その神は、神が創造したものは完璧にすべてを備えているものと知っている」。完璧だと知っているからヒーリングの必要性はないと神は知っている。ヒーリングは、したがって、不完全さや欠落を補う行為ではなく、この世界にあって幻想から真実(完全性)に目覚めさせるだけの行為である。神は幻想の一切と関わりを持たないから、神はヒーリングと関わらない。関わらないが無視しているわけではなく、ホーリー・スピリットにその役を委ねている。



Yet healing is still of God, because it proceeds from his voice and from his laws. 
  • still [stíl] : 「それでも、それでもやはり」
  • proceed [prəsíːd] : 「由来する、始める、開始する、続行する」
❖ "Yet healing is ~ "「しかし、それでもなお、ヒーリングは神のものである」。"because it proceeds ~ "「なぜなら、ヒーリングは、神の声、神の法に由来するからだ」。神はヒーリングに直接手を染めないが、ホーリー・スピリットを介してあなたをヒールする。



It is their result, in a state of mind that does not know him. 
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末」
  • state [stéit] : 「状態、情勢、状況」
❖ "It is their ~ "「ヒーリングは、神の声と神の法の結果である」。"in a state ~ "「神を知らない心の状態において」。つまり、神を知らない(見失った)状態が、ヒーリングを必要とする状態であり、神の声、神の法が間接的にその心に作用して、結果としてヒーリングが実現する。神の声に代わって話してくれるのがホーリー・スピリットである。
 蛇足になるが、ここの"him"は神のことであって、本来なら"Him"と書かれるべき箇所である。改訂されたFIP版では大文字化されている。



The state is unknown to him and therefore does not exist, but those who sleep are unaware. Because they are unaware, they do not know.
  • unaware [ʌnəwéər] : 「無意識の、気付かない」
❖ "The state is ~ "「そういう状態を神は知らない」。ここの"him"も"Him"である。"The state"は「神を知らない心の状態、神不在の心の状態」。そんな状態を、神は知らない。"and therefore ~ "「したがって、その状態は存在しない」。神は神不在の状態を知らないのだから、神にとってはその状態は存在しない。どんな心の中にでも神は存在する。"but those who ~ "「しかし、眠っている者は気付いていない」。"Because they are ~ "「気付いていないから、彼らは知らない」。眠りほうけている者にとっては、自分の心に神が存在することに気付いていない。気がついていないから、彼らは神を知ることはない(they do not know)。自分の心に神が存在することも知らない。
 禅問答のような難解な文章である。デカルトの言葉『我思う故に我あり』を引き合いに出そう。この言葉を少々改造し、『我知る故に我あり』とする。もし神が存在していないなら、神は神を知らない。しかし、神は自分(神)を知っているので、神にとって自分(神)は存在している。神は神不在の状態を知らないのだ。知らないのだから、神にとって神不在の状態は存在しない。ところが、眠っている者は、眠っているがゆえに知ることがない。知ることがないので、自分が存在していると確信できないのだ。もちろん、神の存在も確信出来ない。結果、眠っている者は、神不在の状態、そして、自分不在の状態に陥る。しかも、それすら知らない。眠っている者は夢の中で存在しているだけであって、本当は存在していないのだ。目が覚めて自分を知ることが出来たとき、初めて存在するのである。『我知る故に我あり』である。



2. The Holy Spirit must work through you to teach you he is in you. This is an intermediary step toward the knowledge that you are in God because you are part of him. 
  • intermediary [ìntərmíːdièri] : 「中間の、代理人の」
  • toward [tɔ́ːrd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、認識、知恵、知見」
  • part [pɑ́ːrt] : 「一部、部分」
❖ "The Holy Spirit must ~ "「神があなたの中にいることをあなたに教えるために、ホーリー・スピリットはあなたを通して働かなくてはならない」。神があなたの心に存在していることを、他者を通して教えるのではなく、あなた自身を通して(あなたに働きかけて)、教えなくてはならない。あなたが心の中の神の存在を知るには、あなた自身の心の中のホーリー・スピリットを通して学ぶ必要があるからだ。"This is an intermediary ~ "「これは、〜という叡知に向けての中間ステップである」。"that you are ~ "「あなたは神の中に存在する」という叡知に向けての中間ステップである。あなたの中に神が住まっていることを教え、次のステップで、あなたが神の中に存在していることを教えるのである。"because you are ~ "「なぜなら、あなたは神の一部であるからだ」。あなたは神の一部として神の中に存在している。神はすべてを包摂する存在であり、天の王国のすべてを包み込んでいる。同時に、天の王国はあなたの心の中に存在し、神の子であるあなたは神と同様に天の王国を包摂している。空間という概念の存在しない実相世界は、時空間の存在する幻想世界のイメージではなかなかとらえられないものだ。無理に空間的構造を追求する必要はないだろう。



The miracles the Holy Spirit inspires can have no order of difficulty, because every part of creation is of one order. 
  • inspire [inspáiər] : 「吹き込む、呼び起こす」
  • order [ɔ́ːrdər] : 「順、順序、順位、序列」
  • difficulty [dífikʌ̀lti] : 「困難、難事、難儀」
  • creation [kriéi∫n] : 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "The miracles the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットが呼び起こす奇跡には、難しさの序列はあり得ない」。"because every ~ "「なぜならば、創造されたものすべては、たった一つの序列に位置するからだ」。奇跡には、大小難易の序列がないことは、ACIMの基本理念である。神は、神から分離した形で神の子やホーリー・スピリットを創造したのではない。神の創造は神の拡張であって、あらゆる創造物は神の延長線上にあって神と一体である。したがって、そこに序列というものはない。神と一体の創造物が真実の具現化である奇跡をなしたとき、そこに序列が生じないのは自然なことだ。純粋一元論世界にあっては、真実さえも一つである。言い換えれば、奇跡も一つである。二元論幻想世界にあっては真実も奇跡も様々な様相を見せるが、それは見かけだけであって、単一の真実がもつ諸々の側面に過ぎない。



This is God's Will and yours. The laws of God establish this, and the Holy Spirit reminds you of it. 
  • establish [istǽbliʃ] : 「達成する、樹立する、確立する」
  • remind A of B : 「AにBのことを思い出させる」
❖ "This is God's Will ~ "「これは神の意思であり、あなたのものである」。奇跡に序列を作らないことは神の意志であり、あなたの意志でもある。"The laws of God ~ "「神の法がこれを確立した」。"and the Holy Spirit ~ "「そして、ホーリー・スピリットはあなたにそのことを思い出させる」。ここの"it"も、奇跡には難易の序列がないこと。神の住む天の王国(実相世界)は、完全平等の世界である。真実の存在は完全に平等であり、序列はない。それが神の意志であり、神の法である。



When you heal, you are remembering the laws of God and forgetting the laws of the ego. I said before that forgetting is merely a way of remembering better. 
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • forget [fərgét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
❖ "When you heal ~ "「あなたがヒーリングを行うとき、あなたは神の法を思い出し、同時にエゴの法を忘れる」。エゴの法を意識から排除し、神の法に従う。" I said before ~ "「私は以前、忘れるということは、単に、良く覚えるための方法だと言った」。忘れるという行為は、ネガティヴな意味ではなく、より良く覚えるというポジティヴな意味をもつ。実相的な創造のために、幻想を忘れるのである。



It is therefore not the opposite of remembering when it is properly perceived. 
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「正反対の、逆の」
  • properly [prɑ́pərli] : 「適切に、適当に」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
❖ "It is therefore ~ "「したがって、忘れるということは覚えることの反対だというのではない」。"when it is properly ~ "「もし、忘れるということが適切に知覚されたなら」。覚えるために忘れるのである。



Perceived improperly, it induces a perception of conflict with something else, as all incorrect perception does. 
  • improperly [imprάpərli] : 「不適切に、誤って」
  • induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、感じ方 」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い」
  • incorrect [ìnkərékt] : 「正しくない、間違った、誤った」
❖ "Perceived improperly" 分詞構文、「忘れるということが不適切に知覚されると、」"it induces a perception ~ "「それは、何か他のものとコンフリクトを起こしているような感覚(知覚)を誘発する」。"as all incorrect ~ "「すべての誤った知覚がそうであるように」。すべての誤った知覚が、コンフリクトを起こしているような知覚を誘発するように、ということ。この幻想世界は二元論の世界であり、知覚されるすべてのものは必然的に対極概念をもつ。幻想に毒された知覚は、たとえば、愛を感じると同時に嫉妬や憎悪を覚え、心にコンフリクトを起こす。忘れるということさえ、嫌なことはなかなか忘れず、良いことは容易に忘れる。どうでもよいことは簡単に覚え、覚えておきたいことは容易に忘れる。



Properly perceived, it can be used as a way out of conflict, as all proper perception can.
  • way out of : 「〜から抜け出る道」
❖ "Properly perceived ~ "「忘れるということが適切に知覚されると、それは、コンフリクトから脱出する方法として使われ得る」。"as all proper perception ~ "「すべての適切な知覚がそうであるように」。忘れるということは、存在しないものを捨て去ることである。存在するものは覚えなくてもそこにちゃんとあるから、わざわざ覚えようとしなくていい。存在しないものを捨てるだけで、その姿をはっきり現してくれるからだ。こうして、忘れることで幻想は払拭され、真実が現れる。かくして、コンフリクトは解消する。






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