●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-6.VIII.9:1 ~ T-6.VIII.10:10

9. Truth is without illusions and therefore within the Kingdom. Everything outside the Kingdom is illusion. 
  • truth [trúːθ] : 「真実、事実、真理」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "Truth is without ~ "「真実は幻想をもつことはなく、したがって真実は王国の内にある」。"Everything outside ~ "「王国の外にあるものはすべて幻想である」。この文章からも、ACIMでいうところの王国は私達の心の中にある、ということがわかる。あるいは、私達の心の正しい部分にある、と言うべきか。なぜなら、私達の心の外にある世界は幻想なのだから。



When you threw truth away you saw yourself as if you were without it. 
  • threw [θrúː] : 「throw の過去形」
  • throw away : 「〜を投げ捨てる、無駄にする」
  • as if : 「あたかも〜かのように」
❖ "When you threw ~ "「あなたが真実を投げ捨てたとき、あなたは自分をあたかも真実なき者と見なしてしまった」。真実を投げ出したときとは、神から分離したときのこと。なぜなら、神は真実そのものだからだ。神の子は真実を投げ出し、真実と対極するもの(幻想)を作り出した。それがこの世界であり、自らを、罪を背負った真実なき者と見なした。



By making another kingdom that you valued, you did not keep only the Kingdom of God in your mind, and thus placed part of your mind outside it. 
  • value [vǽljuː] : 「重視する、大事にする」
  • place [pléis] : 「〜を置く、取り付ける」
  • part [pɑ́ːrt] : 「一部、部分」
❖ "By making another ~ "「あなたが価値を認めた別の王国を作ることによって、」"you did not ~ "「あなたは、あなたの心の中に神の王国だけを持ち続けることが叶わなくなった」。"and thus placed ~ "「こうして、あなたは心の外に、(別の)心の一部を取り付けたのだ」。別の王国とは、エゴの王国、つまりこの幻想世界である。心の深部に神の王国が忘れ去られた形で残され、その他の心の部分はすべて、エゴの支配下に下った。



What you made has imprisoned your will, and given you a sick mind that must be healed. Your vigilance against this sickness is the way to heal it. 
  • imprison [imprízn] : 「監禁する、投獄する」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、精神力」
  • sick [sík] : 「病気の、異常な」
  • vigilance [vídʒələns] : 「警戒、用心」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
❖ "What you made ~ "「あなたが作ったものがあなたの意思を投獄してしまった」。あなたが作ったエゴが、あなたが作った幻想世界にあなたを閉じ込めてしまった。"and given you ~ "「そして、あなたに、ヒーリングしなければ治らない病んだ心を与えた」。"Your vigilance against ~ "「この心の病に対してあなたが警戒することが、病をヒールする方法である」。ヒーリングの第一歩は、自分の心が病んでいると知ること。同時に、エゴに毒された心をヒーリングしようとする意志が必要だ。警戒とあるが、エゴの騙しや誘惑に対する警戒と考えていい。



Once your mind is healed it radiates health, and thereby teaches healing. This establishes you as a teacher who teaches like me. 
  • radiate [réidièit] : 「放射する、発する」
  • health [hélθ] : 「健康、健全」
  • thereby [ðὲərbái] : 「それによって、その結果」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
❖ "Once your mind ~ "「一度(ひとたび)、あなたの心がヒールされると、心は健全さを放射し、その結果、ヒーリングを教えることとなる」。"This establishes you ~ "「こうして、あなたは、私のように教える教師として確立するのである」。ヒーリングとはエゴからの解放であり、幻想からの解放である。あなたが解放されたとき、あなたは同胞を解放する役割を担うことになる。あなたは救いを教えるキリストになるのだ。



Vigilance was required of me as much as of you, and those who choose to teach the same thing must be in agreement about what they believe.
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める」
  • require of : 「〜に要求する」
  • as much as : 「〜と同じ程度に、〜と同じ量のもの」
  • agreement [əgríːmənt] : 「同意、合意、承諾」
  • be in agreement : 「同調して、同意のもとで」
❖ "Vigilance was required ~ "「警戒心は、あなたが要求されると同じくらい、私も要求された」。"and those who ~ "「そして、同じものを教えることを選択した者たちは、彼らが何を信じているかという点に関して同意していなくてはならない」。イエスと同じものを教える以上は、イエスと同じことを信じていなくてはならない、ということ。エゴとこの世界は幻想であり、神の住む天の王国こそが実在する世界であって、人は神が創造した神の子であると信じ、教えることになる。



10. The third step, then, is a statement of what you want to believe, and entails a willingness to relinquish everything else. 
  • statement [stéitmənt] : 「声明、発言、供述」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、引き起こす」
  • willingness [wíliŋnis] : 「意欲、やる気」
  • relinquish [rilíŋkwiʃ] : 「放棄する、手放す」
❖ "The third step, then ~ "「そこで、第三のステップは、あなたが何を信じているかの宣言となる」。"and entails a ~ "「そして、それは、他のものすべてを放棄しようという意欲を伴うものである」。他のものとは、実在しない幻想、虚偽、欺瞞である。



The Holy Spirit will enable you to take this step, if you follow Him. Your vigilance is the sign that you want Him to guide you. 
  • enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜できるようにする」
  • follow [fɑ́lou] : 「ついて行く、〜に従う」
  • sign [sáin] : 「標示、サイン、兆し、印」
  • guide [gáid] : 「〜を導く、案内する」
❖ "The Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたがこの第三のステップを踏むことを可能にしてくれるだろう」。"if you follow ~ "「もし、あなたがホーリー・スピリットに従えばの話だが」。"Your vigilance is ~ "「あなたの警戒心は、あなたがホーリー・スピリットにあなたをガイドしてもらいたいと望む、その印である」。エゴを警戒することは、同時に、ホーリー・スピリットの導きを求めていることを意味する。



Vigilance does require effort, but only until you learn that effort itself is unnecessary. 
  • require [rikwáiər] : 「 〜を必要とする、求める」
  • effort [éfərt] : 「努力、尽力、骨折り」
  • unnecessary [ʌnnésəsèri] : 「不必要な、無用な、不要な」
❖ "Vigilance does require ~ "「警戒は努力を必要とする」。"but only until ~ "「しかし、それも、努力自体は必要がないとあなたが学ぶまでのことである」。警戒が習慣となればいいわけだ。あるいは、エゴが消滅すれば、エゴへの警戒は解かれる。



You have exerted great effort to preserve what you made because it was not true. Therefore, you must now turn your effort against it. 
  • exert [igzə́ːrt] : 「出す、発揮する、使う、振るう」
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する」
  • turn against : 「〜と反対の方向に向きを変える」
❖ "You have exerted ~ "「あなたは、あなたが作ったものを保持するために大きな努力をつぎ込んできた」。"because it was ~ "「なぜならば、それは真実ではないからだ」。あなたが作ってきたものとは、この幻想の世界であり、エゴである。それらは真実ではないから、変化し、時間依存する。変化流動するものに対しては、それを維持する必要があり、そのための膨大な努力が必要である。一方、真実なるものは永遠であるから、変化することはなく、維持する必要もない。"Therefore, you ~ "「したがって、今や、あなたは努力の向ける先を180度変えなければならない」。努力の方向を変えると書いたが、"effort against it"とあるので、努力の方向は変えず、内容を180度変える、という意味合い。つまり、それまでエゴの保持のために費やしてきた努力を今度はエゴの消滅のために費やす、という意味。



Only this can cancel out the need for effort, and call upon the being which you both have and are. 
  • cancel [kǽnsl] out : 「取り消す、無効にする」
  • call upon : 「求める、要求する、頼む」
❖ "Only this can ~ "「このことだけが、努力の必要性を取り消すことが出来る」。"and call upon ~ "「そして、あなたが所持し、あなたそのものであるところの存在を、このことだけが求め得る」。あなたにはエゴを消滅させる努力が必要なのだが、あなたはエゴと戦う必要はない。逆に、エゴと戦うことで、幻想のエゴを現実化してしまい、エゴの力を増大させてしまう。そこで、あなたは、あなたの心の中に住まい、あなた自身と同一視できる存在(the being which you both have and are)、すなわち、ホーリー・スピリットに、エゴを消滅させる仕事を委ねるのである(call upon)。ホーリー・スピリットに委ね、導きを得るのだから、あなた一人だけの努力は必要なくなる(cancel out the need for effort)。



This recognition is wholly without effort since it is already true and needs no protection. It is in the perfect safety of God. 
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全体として」
  • protection [prətékʃən] : 「保護、防御、防備」
  • perfect [pə́ːrfikt ] : 「完璧な、完全な」
  • safety [séifti] : 「安全、無事」
❖ "This recognition is ~ "「この認識は全く努力のいらないことである」。努力しなければ得られないという認識ではない。"since it is already ~ "「なぜなら、それはすでに真実であり、まったく防御が必要でないからだ」。"It is in the perfect ~ "「それは神の完全な安全性の中にある」。難解である。この認識とは、幻想のエゴに費やした努力を振り捨てて、真実なるホーリー・スピリットに委ねるべきだという認識。この認識自体も、その内容も真実なので、そこにはエゴを破壊しようなどという攻撃性はまったくなく、したがって、エゴから守る必要もない。真実と真実なるホーリー・スピリットは神の下(もと)にあり、神の下は完璧に安全である。なぜなら、幻想の世界も錯覚のエゴも真実の世界に介入できないからだ。真実は幻想を消滅させ得るが、幻想が真実を消滅させることは不可能なのだ。



Therefore, inclusion is total and creation is without limit.
  • inclusion [inklúːʒən] : 「含めること、包含、含有」
  • total [tóutl] : 「全部の、すべての、全体の」
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、作品」
  • limit [límit] : 「限度、制限、限界」
❖ "Therefore, inclusion ~ "直訳すると、「したがって、包み込みは完全であり、創造に限界はない」。神は"all-encompassing(すべてを包み込んでいるもの)"であることを思い出そう。神はすべてを完全に包含している。したがって、前文の神の完全な安全性とは、真実を余すことなくすべて含んでいる状態であると考えていい。そして、神の属性は愛であり、拡張であり、創造であるから、それらは無限に、永遠に広がっていくのである。制限は何一つない。
 もちろん、神の世界のレベルでは時間も空間も存在しないから、無限や永遠という概念を地上的な視点でとらえると誤ってしまう。実相的な無限や永遠は、この世界(地上)の理性や知覚では把握できない。実相レベルの叡智や悟りをもって直覚する以外に、それを知る手段はない。そして、地上的な知覚を実相レベルのヴィジョンへ、そして、叡智へと高めてくれるのがホーリー・スピリットなのである。






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