●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-5.I.1:1 ~ T-5.I.1:14

I. The Invitation to the Holy Spirit
ホーリー・スピリットへの招待



1. Healing is a thought by which two minds perceive their oneness and become glad. 
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性」
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
❖ "Healing is a ~ "「ヒーリングとは、二つの心が一つであると知覚でき、嬉しくなるような思考のことである」。誰もが神の子として同一の心を持ち、神から愛されている喜びを知ること、それがヒーリング。



This gladness calls to every part of the Sonship to rejoice with them, and lets God go out into them and through them. 
  • gladness [glǽdnis] : 「喜ばしさ」
  • rejoice [ridʒɔ́is] : 「うれしがる、喜ぶ、祝う」
❖ "This gladness calls ~ "意訳する、「この喜びは、神の子のすべてに対して、共に喜ぶようにと呼びかけ、」"and lets God ~ "ここも意訳、「また、神の息吹が神の子達の中に入り込み、そして彼らに浸透し通過していくようにしてくれる」。"every part of the Sonship"に関してであるが、一人の神の子を想定し、その手や足などのすべてのパーツが喜びに浸れるように、つまり、全身で喜びを感じれるように、と解釈してもいいだろう、が、むしろ、複数の神の子、万人の神の子達を想定し、そのすべてが喜びに浸れるように、と解釈した方が通りがいいだろう。また、"lets God go out into them and through them"の表現は以前にも述べられていた。イメージ的には、神が外に出てきて(go out)、神の子達に向かって近づき、彼らの中に入っていき(into them)、そして、すーっと通過していく(through them)、そういった感じ。「神の息吹」と訳したが、ここは読者の感性に従って、色々な訳を考えればいいだろう。



Only the healed mind can experience revelation with lasting effect, because revelation is an experience of pure joy. 
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • revelation [rèvəléiʃən] : 「啓示、黙示、お告げ、天啓」
  • lasting [lǽstiŋ] : 「長続きする、耐久力のある、永久の、永続する」
  • effect [ifékt] : 「効果、効力、結果、影響、作用」
  • experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験」
  • pure [pjúər] : 「純粋な、混じりけのない」
❖ "Only the healed ~ "「ヒーリングされた心だけが、長続きする効果のある啓示を経験できる」。"because revelation ~ "「なぜなら、啓示は純粋な喜びの体験であるからだ」。啓示とは、神からの一方向的なコミュニケーションである。ここでは、ヒーリングされた正しい心は、ホーリー・スピリットを通して神の意志を常に受信できる、といった意味合い。いわば、それが神の息吹であり、喜びの源である。



If you do not choose to be wholly joyous, your mind cannot have what it does not choose to be. 
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
  • joyous [dʒɔ́iəs] : 「うれしい、喜びに満ちた、楽しい」
❖ "If you do not ~ "「もし、あなたが完全な喜びに満ちた状態を選択しないのであれば、」"your mind cannot~ "「あなたの心は、心が選択しなかった状態をもつことは出来ない」。意味が非常に分かりにくい。こんな時は対偶(たいぐう)を考えればいい。対偶とは、たとえば「AでないならBでない」という命題に対して、「BであるならAである」という命題のことであり、数学的に対偶同士の真偽は一致する。では、本文の対偶を作ってみよう。「あなたの心が、心が選択した状態をもつことができるなら、あなたは完全な喜びに満ちた状態を選択していることになる」。これで、意味がすっきり通る。あなたの心が正しい選択をしたのなら、あなたの心は喜びに満ちる選択をしたことになる。
 余談になるが、なぜこのような複雑な言い回しをしているかというと、これは、イエスが言葉遊びをしているからだ。ACIM原典のURTEXTでは、色々な言葉遊びが頻繁に登場する。いわば、言葉による表現の可能性を実験しているようなもので、イエスとヘレンの表現に関する知恵比べの様相を呈しているかのようだ。たとえば、イエスの口述に対して、ヘレンが、これは韻律的に下手な表現だとダメ押しをする場面がある。イエスはそれに対して、下手な方がかえって記憶に残るかもしれないではないか、と切り返す。難解なACIMを原語で読む苦労はあるが、原語で読む楽しさはそれに勝る。



Remember that spirit knows no difference between having and being. The higher mind thinks according to the laws spirit obeys, and therefore honors only the laws of God. 
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
  • higher [háiər] : 「一層高い、高等な、より高い水準の」
  • according to : 「〜に従って、〜と一致して、〜に照らして」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
  • honor [ɑ́nər] : 「〜に敬意を払う、尊敬する、称える」
❖ "Remember that spirit ~ "「スピリットは所有と存在の間に何の違いも認識していないと覚えておきなさい」。ここの"having(所有していること)"とは、神の属性のすべてを継承して持っているということ。そのこと自体が、神の子の"being(存在)"のすべてである。"The higher mind ~ "「高次の心は、スピリットが従う法に準じて考えるものであり、」"and therefore honors ~ "「それゆえ、神の法だけに敬意を払う」。高次の心とは、ヒーリングされた正しい心のこと。正しい心がさらに昇華したものがスピリットだと思えばいいだろう。蒸留酒をスピリッツ(spirits)と言うが、イメージ的にはぴったりだ。



To spirit getting is meaningless and giving is all. Having everything, spirit holds everything by giving it, and thus creates as the Father created. 
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
❖ "To spirit getting ~ "「スピリットにとって、手に入れることは意味がなく、与えることがすべてである」。"getting"も"giving"も動名詞。"Having everything ~ " 分詞構文、理由「スピリットはすべてをもっているので、」"spirit holds everything ~ "「スピリットは与えることですべてを保持する」。ここの保持するとは、拡張増大させるという意味合い。"and thus creates ~ "「このようにして、スピリットは、父なる神が創造したように、創造する」。神の法の下(もと)では、与えることと得ることは同一である。この実相的な『与える』という行為は、『分かち合う』という意味合いをもっていて、分かち合うことで分かち合われるものを拡張増大していく。もちろん、分かち合われるものは物質などの幻想ではなく、愛や喜びや平和などの実在する真実である。実相的な創造は真実の拡張であって、これが神の創造形態である。



While this kind of thinking is totally alien to having things, even to the lower mind it is quite comprehensible in connection with ideas. 
  • while [hwáil] : 「〜なのに、〜ではあるものの、〜だが」
  • totally [tóut(ə)li] : 「全体的に、全体として、何から何まで、全く」
  • be alien[éiliən] to : 「〜に無縁の、〜に適合しない」
  • comprehensible [kɑ̀mprihénsəbl] : 「理解できる、分かりやすい 」
  • in connection with : 「〜に関連して」
❖ "While this kind ~ "「この種の考えはものを所有するという考えと完全に無縁なものであるが、たとえ低次の心にとっても、それは想念の所有ということになれば、まことに理解できるものだ」。低次の心でも、物質ではないもの、思想や観念や想念の所有に関しては、この種の考えが理解できるということ。たとえば、あなたが他者にお金をあげたら、あなたの所持金は減る。エネルギー保存の法則と同様に、この世の物理法則に従っている。しかし、もしあなたが他者に愛を与えたなら、あなたの所持している愛は減るだろうか? 逆に、愛は分かち合われることで、ますます拡張増大していく。これは物理法則を超越しており、低次の心でも理解出来る事実である。



If you share a physical possession, you do divide its ownership. If you share an idea, however, you do not lessen it. 
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する」
  • physical [fízikl] : 「 物質の、物質的な」
  • possession [pəzéʃən] : 「所有、所持、所有権」
  • divide [diváid] : 「〜を分裂させる、分け合う、分担する」
  • ownership [óunərʃíp] : 「 所有権、所有、オーナーシップ」
  • lessen [lésn] : 「〜を減少させる、少なくする、小さくする」
❖ "If you share ~ "「もし、あなたが物質的な所有を分けあうなら、それはその所有権を分け合ったことになる」。"If you share ~ "「しかし、もしあなたが想念を分け合ったなら、あなたはそれを減少させるようなことはない」。



All of it is still yours although all of it has been given away. Further, if the one to whom you give it accepts it as his, he reinforces it in your mind and thus increases it. 
  • give away : 「ただで与えるやる、寄贈する」
  • further [fə́ːrðər] : 「さらにまた、さらになお」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する」
  • reinforce [rìːinfɔ́ːrs] : 「強化する、強固にする、強める」
  • increase [inkríːs] : 「〜を増やす、増大させる」
❖ "All of it is still ~ "「想念のすべてが与えられてしまったとしても、そのすべてはなおあなたのものである」。"Further, if the ~ "「さらに、もし、あなたが想念を与えた本人がそれを自分のものとして受け入れるなら、彼はそれをあなたの心の中で強化してくれたことになり、こうして、想念を拡大させていくことになる」。



If you can accept the concept that the world is one of ideas, the whole belief in the false association the ego makes between giving and losing is gone.
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方」
  • association [əsòusiéiʃən] : 「つながり、関連性、連関」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "If you can accept ~ "「もし、あなたが、この世界は想念の一つにすぎないという観念を受け入れることが出来るなら、」"the whole belief ~ "「エゴが与えることと失うことの間に設けた誤った関連性に対する信念全体は消え去ってしまう」。エゴは与えることは失うことだと主張するが、その等式(関連性)は誤っている。この世界を、真に想念の世界だと信じきれるなら、想念のやり取りで減ずるものはなく、増強される一方なのだから、エゴの誤った考えは雲散霧消するはずだ。
 
 
 



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