●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-4.Intro.1:1 ~ T-4.Intro.2:6

Chapter 4



The Illusions of the Ego
エゴの幻想


Introduction


1. The Bible says that you should go with a brother twice as far as he asks. It certainly does not suggest that you set him back on his journey.
  • twice [twáis] : 「2回、2倍に、二度」
  • certainly [sə́ːrtnli] : 「確実に、確かに、必ず 」
  • suggest [sʌgdʒést] : 「〜を意味する、示唆する、暗示する」
  • set back : 「戻す、あと戻りさせる、後退させる、遅らせる」
  • journey [dʒə́ːrni] : 「旅、旅行、進展」
❖ "The Bible says ~ "「聖書には、あなたは同胞が頼んだ距離の2倍を彼と共に行かなくてはならないと書いてある」。"It certainly ~ "「もちろん、聖書には、あなたが同胞の旅を遅らせていいなどとは示唆していない」。ここでは、ACIMの大きなテーマである、与えることと得ることの本当の意味について触れている。求められたら2倍を与え、決して奪ってはいけない、という意味合いである。得るために奪うという発想はエゴの思考システムであり、ホーリー・スピリットの思考システムでは、与えることと得ることは同一である。なお、この話しは、マタイによる福音書5:41に出てくる。有名な箇所でもあり、参考までに載せておく。

[Matthew 5:38~41 from New American Standard Bible]
You have heard that it was said, ‘AN EYE FOR AN EYE, AND A TOOTH FOR A TOOTH.’ But I say to you, do not resist an evil person; but whoever slaps you on your right cheek, turn the other to him also. If anyone wants to sue you and take your shirt, let him have your coat also. Whoever forces you to go one mile, go with him two. Give to him who asks of you, and do not turn away from him who wants to borrow from you.
あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。だれかが、一ミリオン行くように強いるなら、一緒に二ミリオン行きなさい。求める者には与えなさい。あなたから借りようとする者に、背を向けてはならない。(新共同訳)



Devotion to a brother cannot set you back either. It can lead only to mutual progress.
  • devotion [divóuʃən] : 「献身的愛情、無私の愛」
  • either [íːðər] : 「どちらの〜でも、どちらの〜も」
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、連れて行く」
  • mutual [mjúːtʃuəl] : 「相互の、共通の、持ちつ持たれつの」
  • progress [prɑ́gres] : 「前進、進展、 発達、進歩、成長」
❖ "Devotion to a brother ~ "意訳する、「同胞に愛をもって献身することは、逆にまた、あなたの旅を遅らせることなど出来ない」。"It can lead ~ "「愛をもって献身することは、互いの前進を導くだけである」。どちらがどちらかの犠牲になるなどいうことはなく、共に神への旅路を前進させることが出来る。愛をもって献身すること、これが与えるという真の意味であり、与えて何かが減るようなものではない。逆に、与えることでそれは分かち合われ、拡張増大して、二人はますます得るのである。前進するのである。



The result of genuine devotion is inspiration, a word which properly understood is the opposite of fatigue.
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果」
  • genuine [dʒénjuin] : 「本物の、真の、正真正銘の」
  • inspiration [ìnspəréiʃən] : 「創造的思考状態、創造性、ひらめき、霊感」
  • properly [prάpərli] : 「適切に、適当に、程よく、相応に」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のこと、逆の物」
  • fatigue [fətíːg] : 「疲れ、疲労、けん怠感」
❖ "The result of ~ "「本当の、愛をもって献身した結果は、インスピレーションである」。"a word which ~ "「この言葉は、適切に理解すると疲労の逆の意味になる」。インスピレーションという言葉は、スピリットな状態に入る(インする)、という意味合いがあるから、生気(スピリット)が溢れた状態になることを意味し、疲労困憊する状態になることの逆である。何を言いたいのかというと、愛をもって他者に献身することは、つまり、与えるという行為は、生気(スピリット)を失って疲労困憊するものではなく、逆に、与えることで益々元気になる、生気(スピリット)に溢れる状態になる、ということ。与えることは失うことではなく、ますます得ることなのだ。



To be fatigued is to be dis-spirited, but to be inspired is to be in the spirit.
  • fatigue [fətíːg] : 「疲れさせる、疲労させる」
  • dis- [dis-] : 「欠如した、否定した、反対の」
  • spirit [spírit] : 「〜に生気を与える、〜を元気づける」
  • inspire [inspáiər] : 「元気を与える、霊感を与える」
  • spirit [spírit] : 「精神、気分、霊、魂」
❖ "To be fatigued is ~ "「疲労困憊しているとはディスピリットのことであり、逆に、インスピレーションを受けた状態とはスピリットの中にいることである」。疲労困憊とは、スピリットを失ってしまった状態を表す。逆に、生気(スピリット)に溢れた状態(インスピレーションを受けた状態)は、あなたの心がスピリットに化した状態になったということ。このスピリットは、ホーリー・スピリットのスピリットのことであり、あなたの心が霊性を獲得して実相に目覚めたことを意味する。あなたが愛をもって他者に献身すれば、つまり、愛をもって他者に与えれば与えるほど、スピリットを失って疲労するどころか、逆に、あなたはどんどんホーリー・スピリットのスピリット(霊性)を獲得して、生気に溢れてくるのだ。



To be egocentric is to be dis-spirited, but to be self-centered in the right sense is to be inspired or in spirit. The truly inspired are enlightened and cannot abide in darkness.
  • egocentric [iːgouséntrik] : 「自己中心的な、自分本位の、利己的な」
  • center [séntər] : 「集まる、集中する」
  • self-centered : 「自己中心的な、自己本位の、利己主義者の、身勝手な」
  • sense [séns] : 「意味、意義」
  • in the right sense : 「正しい意味で」
  • enlightened [enláitnd] : 「正しい知識を持った、悟りに達した」
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
❖ "To be egocentric is ~ "「エゴ中心的であるとはディスピリットな状態であり、自分中心的とは、正しい意味で、インスピレーションを受けた状態、あるいはスピリットの中にいる状態を表している」。ここの"self-centered"は"true-self-centered"「実相的な自己を中心にしている」と意味合い。"The truly inspired ~ "「本当にインスピレーションを受けた者は悟りに達したのであり、闇の中に居座ることは出来ない」。"enlightened"「悟りに達した」という言葉は、他動詞"lighten"「明るくする」の先頭に"en"をくっつけて他動詞性を強調し、さらに語尾に"ed"をくっつけて過去分詞化し、受動性を表した言葉である。つまり、「明るくされた」という形容詞である。だから、"darkness"「闇」の中に居座ることは出来ない、というわけだ。前文では"inspiration"を、この文では"enlightened"を取り出して、ちょっとした言葉遊びをしているのである。言葉遊びとは言え、真実を穿(うが)っている。



2. You can speak from the spirit or from the ego, as you choose. If you speak from spirit you have chosen to "Be still and know that I am God."
  • choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
  • as you choose : 「お好きなように、ご随意に」
  • chosen [tʃóuzn] : 「chooseの過去分詞形」
  • still [stíl] : 「静かな、穏やかな、平穏な、平静な」
❖ "You can speak ~ "「あなたは、あなたの選択次第で、スピリットから話すことも出来、エゴから話すことも出来る」。エゴ中心的(egocentric)な自分となって話しをすることも出来れば、本当の自己中心的(self-centered)な自分となって話しをすることも出来る。"If you speak ~ "「もしあなたがスピリットから話しをするのなら、それは『静まりなさい、そして、私が神であることを知りなさい』という言葉を選んでそうしたことになる」。聖書からのこの言葉は『黙れ、我こそは神なりと知れ』という意味合いに聞こえるかも知れないが、そうではない。イエスはこの言葉を再解釈して、『幻想まみれの戯言(たわごと)は言わず、真実なる静寂の中にいなさい、そして、あなたも私同様に神の子であること、いや、神そのものであることを叡智をもって知りなさい』という意味合いを持たせている。
なお、"Be still and know ~ "という文章は詩編46:10に出てくる。参考までに載せておく。

[Psalm 46:10 from King James Bible]
Be still, and know that I am God: I will be exalted among the heathen, I will be exalted in the earth.
力を捨てよ、知れ、わたしは神。国々にあがめられ、この地であがめられる。(新共同訳)



These words are inspired because they reflect knowledge. If you speak from the ego you are disclaiming knowledge instead of affirming it, and are thus dis-spiriting yourself.
  • reflect [riflékt]: 「〜を映す、示す、反映する」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見、情報、事実」
  • disclaim [diskléim] : 「拒否する、否定する、否認する、放棄する」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
  • affirm [əfə́ːrm] : 「断言する、肯定する、確約する」
  • thus : 「それ故に、従って、だから」
❖ "These words are ~ "「これらの言葉は、叡智を反映しているので、インスピレーションを受けている」。前文の聖書の言葉は、正しく解釈するなら、実相的な真実である叡智から導き出されたものだから、インスピレーションを得て命を吹き込まれたものだ。"If you speak ~ "意訳する、「もしあなたが、エゴの立場から言葉を発するなら、あなたは叡智を肯定する代わりにそれを否定してしまうことになる」。"and are thus ~ "「こうして、自分からインスピレーションを奪ってしまう」。エゴは幻想と虚偽をあなたに吹き込み、あなたから真実の命を奪ってしまう。それは叡智の否定だ。神の否定である。



Do not embark on useless journeys, because they are indeed in vain. The ego may desire them, but spirit cannot embark on them because it is forever unwilling to depart from its foundation.
  • embark [embɑ́ːrk] on : 「〜に乗り出す、〜に着手する、〜に従事する」
  • journey [dʒə́ːrni] : 「旅、旅行」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際には」
  • in vain [véin] : 「無駄に」
  • desire [dizáiər] : 「〜が欲しいと強く思う、〜であることを強く願う」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • be unwilling to : 「〜することに気が進まない、〜することを嫌がる」
  • depart [dipɑ́ː(r)t] from : 「〜から離れる、飛び立つ、それる、逸脱する」
  • foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤、根拠、基礎、根幹」
❖ "Do not embark ~ "「役にも立たない旅に出かけてはいけない」。"because they are ~ "「なぜなら、役にも立たない旅は本当に無駄に終わってしまうからだ」。"The ego may ~ "「エゴならそれを望むかもしれないが、スピリットはそんな旅に乗り出したりしない」。"because it is ~ "「なぜなら、スピリットは永遠にその基盤から離れることを潔(いさぎよ)しとしないからだ」。無益な旅とは、金銭欲に走ったり、権力欲に走ったり、肉欲に走ったり、ギャンブル欲に走ったり、出世欲に走ったり、等々、枚挙にいとまない。あなたに必要な旅はただ一つ、神へ回帰する旅である。幻想から真実への目覚め、叡智の再生、スピリット(spirit)と光(enlightenment)への旅である。
 
 
 



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