●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-3.VI.1:1 ~ T-3.VI.2:12

VI. Judgment and the Authority Problem
判断と権威問題



1. We have already discussed the Last Judgment, but in insufficient detail. After the Last Judgment there will be no more.
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • discuss [diskʌ́s] : 「〜を議論する、論じる、〜について話し合う」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • The Last Judgement : 「最後の審判」
  • insufficient [ìnsəfíʃənt] : 「不十分な、不足して、不適当な、足りない 」
  • detail [ditéil] : 「細部、詳細な記述、詳細、詳説」
  • in detail : 「つぶさに、細部にわたって、項目を追って」
❖ "We have already ~ "「私たちは最後の審判について、すでに論じたが、」"but in ~ "「しかし、十分に詳細な議論を尽くしたとは言い難い」。"After the Last ~ "「最後の審判後は、もう判断というものはない」。『最後の審判』についての詳しい議論は、Chapter 2 の VIII で行われた。いい機会なので、復習することをお勧めする。簡単に言えば、ACIMの説く最後の審判は、この世界の最後の最後に、神が人々の所業の善悪を審判して天国行きと地獄行きを決定するという、世間一般で考えられているものではない。イエスの語る最後の審判は、神の子として再生するための入り口であって、それをあなたに促すホーリー・スピリットの主導する判断のことである。ホーリー・スピリットはあなたを、完全に無辜(むこ)な神の子だと判断するので、その判断を受け入れて、神の子として再生せよ、という意味である。これが最終的な判断であるので、その後にあれこれ判断する必要はない。
ところで、我々の言う判断とは、頭脳による評価判断のことなのだが、ホーリー・スピリットの判断はそうではない。叡智による真実の表明のことである。こういう実相的な判断は、今のあなたには出来ない。だから、頭脳による偽の判断を捨てて、ホーリー・スピリットの判断に委ねよ、ということなのだ。最後の審判とは、したがって、ホーリー・スピリット(あるいは神)による究極的な実相的判断であり、真実が明かされる瞬間のことなのである。



Judgment is symbolic because beyond perception there is no judgment.
  • symbolic [simbɑ́lik] : 「 象徴する、象徴となる、象徴の、象徴的な」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ "Judgment is ~ "「審判は象徴的なものである」。"because beyond ~ "「なぜなら、知覚を越えて審判が存在するものではないからだ」。キリスト教徒がイメージする最後の審判は、神の前に連れ出されて、神が生前の罪を暴き、そして裁く、というものであろうが、そのイメージは単なる象徴に過ぎない。神への恐れが描き出した幻想である。そういうイメージを知覚することなくして(beyond perception)、審判というものは描けないからだ(no judgment)。逆に言えば、もし、知覚を超越したならば、恐ろしい神の審判などという単なる象徴(幻想)は消滅する。つまり、威嚇的な最後の審判というイメージはエゴが仕掛けたワナであり、我々を知覚に縛りつけ、神への恐れを維持するものでしかない。真の最後の審判は威嚇的なものではなく、それはイメージや象徴を用いて表現されるものではないのだ。



When the Bible says "Judge not that ye be not judged," it means that if you judge the reality of others you will be unable to avoid judging your own.
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を(…で)判断する、〜を審判する、審査する」
  • ye [ji] : 「なんじら、あなたがた」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相 」
  • be unable to : 「〜することができない」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる」
❖ "When the Bible ~ "「聖書が『裁くなかれ、汝が裁かれないために』と言うとき」"it means that ~ "「それはthat以下を意味している」。"that if you ~ "「もし、あなたが他者の真実を判断するなら、あなた自身を判断することを避けることは出来ないであろう」ことを意味している。ACIMは自他一如の思想である。他者を判断することは、とりもなおさず、自分自身を判断することにつながるのだ。たとえば、あなたが誰かを悪者だと判断して憎んだとすれば、あなたはあなたの実像をその他者に投影し、そのイメージを悪者だと判断していることになる。つまり、あなた自身の憎むべき部分を悪者だと判断しているわけだ。では、どうすればいいか。判断を放棄するのである。そして、投影したイメージを幻想だと認識して、その他者を赦すのである。赦しは ACIM の最大のテーマである。
なお、"Judge not that ~ "という文章はマタイの福音書7:1に出てくる。参考までにここに載せておく。

[Matthew 7:1~7:2 from King James Bible]
Judge not, that ye be not judged. For with what judgment ye judge, ye shall be judged: and with what measure ye mete, it shall be measured to you again.
人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。(新共同訳)



2. The choice to judge rather than to know is the cause of the loss of peace. Judgment is the process on which perception but not knowledge rests.
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因」
  • loss [lɔ́ːs] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • process [prάses] : 「プロセス、過程、進行、経過、行為、作用」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見、情報、事実」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている、休む、休息する」
❖ "The choice to ~ "「知ることよりもむしろ判断することを選べば、それは(心の)平和を失う原因になる」。"Judgment is ~ "「判断は、叡智ではなく知覚が関わるプロセスである」。頭脳による理性的判断は、幻想世界の情報を処理するためだけのプロセスであって、実相世界の真実を知ることは出来ない。実相的真実の把握は、叡智による直覚というプロセスによる。あなたが判断を選んで幻想にとどまる限り、あなたは心の平和を失うことになる。



I have discussed this before in terms of the selectivity of perception, pointing out that evaluation is its obvious prerequisite.
  • discuss [diskʌ́s] : 「考察する、検討する、議論する」
  • in terms of : 「〜に関して、〜の点から見て、〜の観点では」
  • selectivity [səlèktívəti] : 「選択性、選択力」
  • point out : 「指摘する、指し示す、注目させる」
  • evaluation [ivæ̀ljuéiʃən] : 「評価、見積もり、値を求めること、評定」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な、分かりきった」
  • prerequisite [prirékwəzit] : 「必要条件、必須条件、前提必須条件」
❖ "I have discussed ~ "「私は、知覚の選択性に関して、以前、このことを論じた」。"pointing out ~ "「そして、that以下を指摘した」。"that evaluation ~ "「評価は明らかな必要条件である」と指摘した。知覚の前提条件は評価である。知覚は対象を、良し悪し、美醜、などを評価判断することで成り立っている。それが必要条件、前提条件。対して、叡智による対象の把握の仕方は、評価判断を前提としない。



Judgment always involves rejection. It never emphasizes only the positive aspects of what is judged, whether in you or in others.
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、必要とする」
  • rejection [ridʒékʃən] : 「拒絶、断ること、拒否、棄却、却下」
  • emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重要視する、重視する」
  • positive [pɑ́zətiv] : 「積極的な、前向きの、建設的な」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面」
  • whether [hwéðər] : 「〜かどうか、〜であろうとなかろうと」
❖ "Judgment always ~ "「判断は常に拒絶を含む」。"It never emphasizes ~ "「判断は、あなたに対してであれ他者に対してであれ、判断されたものの良い面だけを強調するわけではない」。要するに、判断は、評価と称して、他者の、あるいは自己のあら探しをし、気にくわないものを拒絶する、ということ。



What has been perceived and rejected, or judged and found wanting, remains in your mind because it has been perceived.
  • found [fáund] : 「findの過去・過去分詞形」
  • wanting [wάntiŋ] : 「欠けている、足りない、抜けている 」
  • remain [riméin] : 「残る、残存する、とどまる、滞在する 」
❖ "What has been ~ "「知覚され、拒絶され、あるいは判断され、欠けているとわかったことはあなたの心に残ってしまう」。"because it has ~ "「なぜなら、それは知覚されてしまったから」。知覚されたものは、頭脳で評価判断され、その情報は記憶に蓄えられる。知覚されたものは心に残留するのだ。もちろん、無意識の中に押し込まれてしまうこともある。意識されない残留物、これが非常に厄介だ。



One of the illusions from which you suffer is the belief that what you judged against has no effect. 
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • against [əɡéinst] : 「〜に反対して、〜に逆らって、〜にそむいて」
  • effect [ifékt] : 「効果、効力、結果、影響」
❖ "One of the illusions ~ "「あなたが苦しんでいる幻想の一つは、that以下を信じていることだ」。"that what you ~ "「あなたが何かに反対して判断したことはまったく結果を生まない」と信じていることは、あなたを悩ます幻想の一つである。ここの"judged against"は、ニュアンスとして「有罪と判決する」とか「正しくないと判断する」、「悪いと判断する」とか、そういったネガティブな意味合い。たとえば、あなたが誰かを悪いと判断したとしよう。悪いと判断し憎んだとしても、それによって他者が良くなるわけでもないし、あなたの憎悪が愛に変わるわけでもない。判断したところで、その結果が現れることはないとあなたは信じ、苦しんでいる。しかし、それは幻想である。負の判断、憎悪の感情は、確実にあなたの無意識の中に蓄積されていく。目に見えないところに結果を生んでいるのだ。しかし、それさえも、実は幻想である。



This cannot be true unless you also believe that what you judged against does not exist.
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜でない場合を除いては」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "This cannot be ~ "「もし、あなたが何かに反対して判断したものが存在しないと信じない限り、このことは真実になり得ない」。あなたが判断した対象は存在さえしていないのだと信じることが出来れば、あなたの判断は結果を生まないということは真実である、ということ。あなたが判断した対象が実在していると信じる限り、あなたはその結果が現れてこないと思って苦しむだろうが、実は結果はあなたの無意識の中に蓄えられる。恐れや憎悪は心の中に結果を生む。しかし、もしあなたが、判断する対象は実は幻想に過ぎず存在さえしていないと信じることが出来れば、もちろん判断の結果自体も存在してはいないし、心の中に結果を残すこともない。知覚と頭脳が判断したことは、本当は、存在しない。そう信じきれるなら、幻想や錯覚から自由になって、真実の中に住まうことができる。しかし、そう信じられないなら、幻想と錯覚はいつまでも続き、真実に帰ることが出来ないのだ。



You evidently do not believe this, or you would not have judged against it. In the end it does not matter whether your judgment is right or wrong.
  • evidently [évidəntli] : 「明らかに、明白に、確かに、疑いなく」
  • in the end : 「結局、ついに」
  • matter [mǽtər] : 「重要である、問題である、大きな違いがある」
  • whether [hwéðər] or not : 「〜かどうか、いずれにせよ」
  • right [ráit] : 「正しい、正当な、合っている、適切な」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている、不適切な、悪い」
❖ "You evidently ~ "「あなたは明らかにこのことを信じてはいない」。このこととは、判断したものなど、本当は存在しないということ。"or you would ~ " 仮定法過去完了形、「さもなければ、あなたはそれに反対して判断などしなかったであろう」。判断する対象は幻想であり、判断自体も幻想であると知っていたなら、そもそも判断などするわけがない。"In the end ~ "「結局、あなたの判断が正しかろうが誤りであろうが、そんなことは問題ではない」。また、判断は幻想であり錯覚なのだから、それが正しいとか間違っているとかいうことはない。そもそも判断する対象は存在していないのだから。




Either way you are placing your belief in the unreal. This cannot be avoided in any type of judgment, because it implies the belief that reality is yours to select from.
  • either way : 「どちらにしても」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • unreal : 「実在しない、非現実的な、幻想的な、空想的な」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる」
  • type [táip] : 「タイプ、型、型式、形式、 種類、類」
  • imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす」
  • reality [riǽləti] : 「現実、実在、現実性、実在性、現実のこと」
  • select [səlékt] : 「〜を選択する、〜を選ぶ」
❖ "Either way you ~ "「(判断が正しかろうが誤りだろうが)どちらにしても、あなたは信じる心を非現実なるものに置いたことになる」。硬い表現だが、要するに、ありもしないものを信じてしまっている、ということ。"This cannot be ~ "「どんなタイプの判断でも、このことは避けられない」。このこととは、存在しないものを信じてしまうこと。"because it ~ "「なぜなら、それ(判断)は〜を信じていることを暗に示しているからだ」。"the belief that ~ "「あなたが選んだものが真実である」と信じていることを暗に示しているからだ。幻想の中で、これが正しいと判断し選択したものを、我々は実在だと信じてしまう。本当は正しい判断など存在しないし、そもそも判断する対象も存在しない。
この段落は、非常に難解な箇所である。夜見る夢を想定してみれば理解しやすいだろう。あなたは夢の中で、あなたを攻撃する誰かを目撃したとしよう。あなたはそれを夢の中で知覚し、頭脳をもって敵だと判断する。そして敵を憎む。だが、夢の中では、あなたの判断も憎しみも、表面的な結果を何も生みはしない。憎しみの感情は心の中に潜行し、結果は無意識の中に蓄えられる。しかし、そのすべては夢の中の出来事である。あなたを攻撃する他者は実在してはいないし、実在してもいない対象を夢の中で判断することなど、それ自体も夢である。そして、心の中に蓄えられた結果さえも、本当は夢の中の出来事なのだ。夢の中の出来事に、正しいも正しくないも存在しない。正しい判断など存在しないのだ。では、そうすればいいのか? 判断を放棄するのである。そして、目の前に展開する現象を夢に過ぎないと、幻想なのだと認識し、受け入れて赦すのである。そうすることで、あなたは夢から目覚めることが出来きるのだ。
 
 
 



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